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2016年11月8日火曜日

各国の国家的精神

 このところこのブログで頻出ですがマーブルヒーローのキャプテンアメリカは改めてみると日本にはないタイプのヒーローだなという気がします。そう考えるのも彼の行動原理で、彼は「アメリカ」という国家の名称を冠してはいますが米国政府に必ずしも従うわけではなく、彼が信じる米国の「自由」という国家的精神を守るために行動し、その自由を侵そうものならば敢然と米国政府にも立ち向かう当たり組織というもの全く疑いを持たずむしろ組織に染まってしまいがちな日本人には作り出せなさそうなキャラだなと考えるわけです。
 さてここで出てきた「自由」という概念ですが、なんだかんだ言いつつもやはりこれは米国の確固たる国家的精神で、少なからず米国民も「他の何を差し置いてでも優先すべき概念」であるという信条を持っているように見えます。具体的に言えばウォーターゲート事件やスノーデン事件で、ああした事件に対して米国民が見せる態度からは「自由のためなら自国の政府も倒す」という意思が感じられます。逆を言えば、米国民ほど日本人はそこまで自由という概念にこだわりを見せないとも言えるわけです。

 では日本人は米国にとって自由のような、国家的精神は存在するのでしょうか。あくまで私個人の意見で述べると敢えて同じように漢字二文字の単語を選ぶとしたら「天皇」と「平和(憲法)」だと思います。前者は言うまでもなく日本という国家そのものを代表する概念で、たとえ憲法で禁止されていたとしても天皇を守るためなら日本人はためらいなく戦争への道を選ぶと断言してもいいです。
 その天皇に次ぐとはいえ、「平和」も現代日本人にとっては最重要な国家概念であるのではないかと思います。日本の国家議論は突き詰めて言うと、平和をどう解釈するのかという議論にまとめ上げられ、平和を軸にして与党と野党が言い合っているように感じられ、その議論の手段が憲法にあるという風に感じたためこの言葉を挙げることとしました。
 また国民レベルでも如何にして平和を維持するかという価値観が何よりも優先されているように思え、極端な話、ISISが世界中でどれだけの人間を殺害しようと日本が戦争に巻き込まれないのなら全く気にしない、というか下手に係ると戦争に巻き込まれる種になりそうだから無視しようとする態度も透けて見えます。

 最近やたらと短い記事が多いのでなんですがもう一つこうした国家的概念を私が挙げられるとしたら中国で、中国の場合だと私の中では「拡張」という言葉が来ます。意味することは領土の拡張、中華文明の拡張、宇宙開発の拡張と、有史以来の中国人がやってきたようにとにもかくにもこの国は拡張というか「デカいことはいいことだ」を素で信じており、国民レベルでも誰もそれを疑ってない気がします。それこそ拡張できるなら何人国民が死のうが、政府が横暴しようがどんと来いと言わんばかりで、やっぱり周辺からするとはた迷惑な国だなともいえるでしょう。

今日驚いたニュース記事

女性の足なめた疑い、男を逮捕 京都(京都新聞)

 マジでさっぱり意味がわからないニュースで、頭の中には「妖怪足なめ」という妙な単語が飛び交っていました。そういえば水木しげるが亡くなって今月でもう一年か……。

スズキ中国進出の象徴「長安鈴木」業績好転、救世主は鈴木修会長(ZUU online)

 第三パラグラフの冒頭で、「スズキは1933年に長安汽車と合弁契約を結ぶなど、早期に中国進出を果たした。」と書いてありますが、1933年って言ったら戦前で、しかもその頃まだスズキは自動車を作っていなければ長安汽車も設立されていません。何が恐ろしいかってこの記事、こんなとんでもないミスが残ったままアップロードされている点で、誰もチェックしなかったのか、チェックしてたらしたで誰も気が付かなかったのかなどと思うと空恐ろしい記事です。
 なおこの箇所に限らずこの記事は全体に渡ってとんでもなくレベルの低い内容で、見出しに掲げている鈴木修会長ですがただ長安鈴木を訪問したとしか書いておらず、具体的に何かに貢献したという事実は書かれていません。おまけに業績面でも2016年Q3だけの業績見せられても業績回復してますねはいそーですかという奴はタダのアホでしかなく、このデータだけでは何とも言えません。書いた人コンサルタントらしいけど、わざわざ自分の無知を晒しだしてどうなのと言いたくなる記事でした。

2016年11月7日月曜日

業種によって異なる付加価値に対する意識の違い

 このブログで何度も書いている通りに私は数年前に経済紙の記者をやった後で一旦日本に帰り、去年末まではプレスメーカーに品質管理として働いていました。勤務先もオフィスとかじゃなくリアルに油臭い工場で毎日作業着てはノギス片手に計測してましたが、今こうしてブログを書いている自分が一介のライターだとするならば、メーカーでの工場勤務経験を持つライターなんて普通はいないだけにかなりレアな経歴を持つに至ったと思えます。
 まぁゼネコン出身の記者もおり、何気にこの前日本であった人と共通の知人だったのでビビりましたが。

 鼻にかけるつもりはありませんが工場勤務を経験したことによって、完全に理解したとは言えないまでもマスコミ側では異なるメーカー側の視点もある程度得られたという自負があり、この視点はほかのライターと比較する上ではなかなかの差別箇所になると考えています。そんな自分に言わせるとマスコミとメーカー、というよりはサービス業従事者と製造業従事者の間にはある一点で明確に視点が異なっており、もったいぶらずに述べるとそれは付加価値に対する意識です。
 より具体的に述べると、サービス業従事者は業務において如何に付加価値を高めるかに意識が向く一方、製造業従事者は付加価値に対してほぼ全くそういった意識はなく、如何にコストを下げるかに意識が向きます。言ってしまえば前者は付加価値は変動するという価値観であるのに対して後者は付加価値は固定で、変動するのはコストだという前提があるのでしょう。

 実際に両者の業務を見比べてみれば一目瞭然でしょうが、サービス業ではコストといえるようなコストは基本的に人件費しかなく製造業とは違って設備費や材料費といった原価を意識することはほぼ皆無です。逆に製造業は常にそういった原価の変動に頭を悩ませる一方で、自らが製造して販売する商品は一旦契約で仕切値が決まると価格は固定されてしまい、仮に付加価値を高めようと品質の改善をしたところで客先からは「だから何?」と一蹴されて値上げ交渉なんて以っての外です。なもんだから自然と両者で付加価値に対する意識は乖離していくのでしょう。

 恐らく認識はしていなくても、上記の意見は勤務経験のある人間ならストンと納得して、意識の差に対する程度の違いは有れども異論を挟む人はいないと思います。私が見る限りは両者の差を「クリエイティビティがあるかないか」などと言う人はいますが、付加価値に対する意識を軸にする人は多分自分以外いないと思われます。
 その上で私からもう一言言えば、この事実を真に知るべきなのは就活やってる学生たちでしょう。大体の人は就職後に徐々にそれぞれの意識に染まっていくでしょうが、この業種によって異なる付加価値に対する意識を事前に知ることで自分が現時点で向いている職種なり業界なりをある程度絞ることができ、キャリアプランなども設計しやすくなる気がします。でもって中には、どっちか片っ方の意識しか持てない人間も確実に存在しており、そういう人なんかはまさにこの点に気をつけて職選びしないとえらいことになるでしょう。

 私なんかまさにそういうタイプで明らかに学生時代からサービス業向きでメーカーとかは全く向いておらず、でもってマスコミ業界がやっぱり合っていたと周囲からもよく言われます。ただそんな自分ですら工場で手に着いたらなかなか引きはがせないえらくねっとりした潤滑油をプレス機に注入してたりして数年間(しか?)働けたんだから気持ちの持ちようによってはどうとでもなるのかもしれません。

 最後に上記に上げた付加価値、というより付加価値とコストのどちらに意識を置けるかについて、両方に意識を置ける人間というのはどうのかという問いについて私なりに答えると、はっきり言ってそんな人間は普通に存在せずいたとしたら超人でしょう。私のようにある程度は逆方向の視点を持つことはできるかもしれませんがベースとなる視点はやはりどっちか一つに偏り、敢えて表現したら今の私もサービス業の視点から製造業の視点を覗いているに過ぎません。
 なおこと創業者に関して言えば間違いなく、メーカーにおいても付加価値意識の高い人間が多いと言えるでしょう。

2016年11月6日日曜日

今週末のサイクリング

 昨日土曜日はまた例によって昆山サイクリング部の活動があったので早朝六時に自宅を出発して上海市から隣の昆山まで向かいました。距離にして50kmですが何度もとおっているのでもうお茶の子さいさいだと思っていたらなんと途中で後輪のタイヤがパンクし、どないすんねんと言いたくなるようなヤバイ状況に陥りました。
 その時乗ってたロードは今年一月に購入してから既に1000km以上は確実に走っていながら一度もパンクしたことがなかっただけにやや衝撃を受けました。もっともロードのタイヤはいつ、何がパンクするかは一切予見できないだけにしょうがないっちゃしょうがないのですが。

 話は戻りますがパンク直後に一瞬、帰ろっかなとか思いましたが既に昆山に宿泊するホテルも予約していたのでそこはぐっと堪えて30分くらい歩き、たまたま見つけた自転車修理屋に行って修理を依頼しました。そしたらそこの店主というか親父が、「タイヤの外皮も替えた方がいいよ」というのでならば一緒に変えてくれと頼み、チューブと共に外皮も変えて計60元を支払って再び昆山へと走り出しました。この時の時間ロスのため昆山ではほぼ休憩なしにサイクリングへと突入し、この日走破した距離は、途中に昼食休憩はあったものの大体120kmくらいでした。

 そして明けた今日、知人の伝手で安く泊まったホテルを飛び出してさぁ上海へと漕ぎ出して大体30分後、後輪からまるでビニール袋を巻き込んだかのようにバタバタという音が突如鳴り、再びパンクしました。まさかチューブ交換して一日でパンクするとは思いもよらずちょっと頭を抱えましたがすぐに切り替え、ちょうど工業地帯に入る直前の住宅地付近だったこともあり近くの人に教えてもらって自転車屋を訪れ、また直してもらいました。
 その際に店の親父が、「外皮のサイズが微妙に違うから替えた方がいいよ」というので素直な私は昨日の親父に対しファッキンと思いながらチューブと共に交換を依頼しました。っていうか言われてみると、タイヤ付け替える時に確かにサイズ妙だなという違和感はあった。

 この時に訪れたのはマンションの敷地内にある自転車屋で、ちょっと意外だったというかひっきりなしにパンクした自転車を持ってくる人がいて、なんと持ってきた本人が店の親父に頼まずにその辺にある道具使って勝手に修理していました。さすがにゴムのりとかゴムシール使うので修理を終えた後でお金を払ってはいましたが、こんなんありなのと思いながら見つめているとたむろしているその辺のおっさんどもが私に対し、「この自転車いくらだった?」、「最高時速は何キロ?」とかえらく質問をかけてきました。
 その際に「どこ出身?」と聞かれ、「日本だ」と答えるも私の中国語標準語がどうも通じない、っていうかかなり訛りの強いおっさんどもだったのでいまいち伝わらず、中国人の日本への侮蔑語……というよりかは一般的な呼び方の「小日本だ」と言ったら伝わりました。物も言葉も使いよう。

 その後、修理が完了して再び漕ぎ出して、再び50kmの道を走って自宅に戻ったのはお昼の一時でした。自分でいうのもなんですが昔と比べてメンタルが大分強くなったというか、中国で自転車トラブルにあっても一切動じずに淡々と自転車屋を探して直してまた走り切っちゃう当たり成長したなという感じがします。昔、杭州でサイクリング中に部品の硬度が足りておらずペダルが落下した際なんかは散々ファッキンファッキン怒鳴りながら引っ張って帰ってたし。

  おまけ
 昨日、元同僚に話を聞いたら前の職場の元上司が中国での駐在生活でどうも精神をやられていたようだったと教えてくれたのですが、正直に言って同情よりも侮蔑を覚え、明らかに自分より楽な立場にありながら精神くずすなんてとんだ軟弱ものだったんだなという感情を覚えました。もっともこれを昔の友人が聞いたら、「みんながみんな君ほど強くはない」と言うでしょうが。

2016年11月4日金曜日

中国の自動販売機(--〆)

 友人に進められたこともあるので中国の自動販売機市場について今日は書きます。

 まず大前提として、自動販売機の台数は間違いなく日本が世界最高で、日本みたく日常のどこにでも自販機が存在する国は存在しません。聞くところによると野外に自販機を置けるのは日本位なもので、ほかの国で同じことすればあっという間に釣銭とか盗まれたり壊されたりするそうです。
 そんなもんだから中国も自販機がある場所といったら基本的に屋内で、上海市内だと一番目立つのは地下鉄駅構内です。かつては全く存在しませんでしたがここ数年で台数は大きく増加し、証明写真の自動撮影機も地下鉄駅ならどこでも見られるようになりました。何気に証明写真の方は大学のゼミの同期が輸出してました。

 自販機そのもののメーカーについてははっきりと確認していませんが、恐らく日系企業が大半だと思われます。以前に筐体表面にでっかく「KUBOTA」と自己主張も甚だしい自販機を上海市内で見つけましたが、構造的にもノウハウ的にも日本が進んでいて逆に中国メーカー製ってのは見ないし聞かないので恐らく間違いないでしょう。構造もほとんど同じ売っているのもペットボトルの水とかコーラが大半です。

 ただこの前、ちょっと面白い自販機があり、具体的に言うと携帯電話で料金を払うという自動販売機でした。こういうと恐らく大半の方はSUICAでピッと決済する自販機を想像されると思いますがその上海で見た自販機はなんと、アプリで決済するという自販機でした。
 どのようにして使うのかというと、まずは買いたい飲料のボタンを押します。すると表面についている小さいモニターにQRコードが表示されるのでそれを携帯電話のカメラで取り込むと、電子決済アプリの「微信支付」が起動し、支払うかどうかの確認画面が出て決済用暗証番号を入力して承認すると、ガコンと飲料が落ちてくるという代物でした。

 タッチしてピッの自販機ならいざ知らず、このような自動決済機能を持った自販機はなかなかに珍しく、たまたま一緒にいた上海人の友人と二人して興奮してもう一回試そうということになり、私がその友人に何か飲料をおごってやると言ったら一番高いレッドブル頼もうとしやがったので「コーラにしとけ」と無理矢理変えさせました。でもって、二度目も滞りなくガコンとコーラが落ちてきました。
 ちなみに私が先に買ったのは「凍紅茶」というアイスティーです。

 前に日本人の友人と電子決済市場について話した際、小売店側が電子決済に対応するためには専用端末を揃える必要があり急には広がりはしないだろうとその友人は主張しましたが、上記の自販機を始めとして中国の場合はQRコードとアプリを使うことで電子決済を実現しており、専用のハードなど使わなくても従来のハード、下手すればQRコードが読めるレジ用スキャナなり携帯電話があればどこでも対応できるのでそれは違うと否定しました。何気にそう考えると、先ほどの電子決済が出来る自販機というのは地味にすごい代物のように思えてきます。

 またその時、友人には直接言いはしませんでしたが話をしていながら、「日本人はやっぱりハードから考えるな」と内心で思っていました。新しいサービスなりを普及するに当たってまずどんなハードを作って導入するかを日本人は考えがちですが、中国人の場合はこれとは対照的にソフトから考え、その後で既存ハードを再利用というかそのまま使おうとします。実際、飲食店などに行くと客からのオーダーを携帯電話(スマホ、フィーチャーフォンの両方ともあり)で入力して伝達、記録する店もそれほど珍しくなく、こうした活用方は日本人には無理でまず専用端末を作ろうとするなといっつも思います。

 少し話がずれましたが、もしかしたら日本にも上記のようなQRコードで買えるような自販機がもうあるかもしれませんが、広範なサービスに関してはやはりハードよりソフトから考えるべきで、この点に関しては中国の方が明らかに日本を上回っていると私には思えます。たかが自販機されど自販機といったところです。

  おまけ
 勤務先のオフィスにもお菓子とかジュースを売っている自販機がありますが、5元札入れて3元のコーラ買ったらお釣りの2元が何故か毎回出てこないので魔の自販機と勝手に呼んでます。

2016年11月2日水曜日

普段の昼食(・。・)

 マルクス主義的な情熱に燃えて残業して来てあんまりブログ書くのに今日は時間かけたくないと言ったら友人が「普段の昼食について書いたら」とグッドな案くれたので今日はそれで行きます。

 私は世を忍ぶ仮のサラリーマン生活をしているので普段は勤務先で昼食を取るのですが、同僚と一緒にどこか飲食店へ行くのを除くと近くの日系スーパーでお弁当買ってきて、オフィス内で食べています。買ってくるのは主に15元(約230円)サンドイッチで、割とパンが分厚く中にとき卵とレタス入っているのでお腹ごまかすのにはちょうどいいくらいです。前はそこでカツサンドも売ってて良く買ってましたが、何故か最近やめちゃったのでこのところ食べていません。
 サンドイッチのほかには丼飯、日本でおなじみのパック弁当もそこでは売られており、これらはそれぞれ30元(約450円)で売られています。よく買うのは牛丼で妙に出汁が効いてておいしく、その一方でカツ丼はなんか不味く感じるのでそこでは買いません。

 ほかの同僚たちについては、自分で弁当持ってくる人もいれば朝の出社時にコンビニなどでパンをあらかじめ買っておいてお昼になったら食べる人などもおりバラバラです。一回女性の同僚が、「今日は大漁だ」といって、どっかからエビの刺身買ってきて食べてたことありましたが。

 中国人スタッフについてはコンビニで弁当買ってくる人、ケータリングサービス使う人など分かれていますが、後者についてはあんまり詳しくないというか一度も使ったことがないものの中国ではすごい普及しています。検索大手の百度とかもそういった配達サービスをやっていて、加盟店のレストランメニューを携帯で注文するとわざわざその店で買ってきて送り届けてくれるそうです。なんとなく配達の人に悪い気がするので自分はとても使えません。

 休日だと私は自分で料理することが多いですが、そんな大したものは作らず、焼きそばをまとめて焼いて昼と夜に食べたりとか、後はハンバーグこねて作ったりとこの辺はあんま学生時代と変わりません。ちなみに作っててよく思いますが、中国は卵がなんか致命的にまずいのと、飲食店で出される目玉焼きは両面焼きで焼くから丸い黄身の部分が白身に埋まって出てきます。多分彼らより目玉焼きなら自分の方がおいしく作る自信あります。

2016年11月1日火曜日

韓国大統領の政治スキャンダルについて

 急な仕事が入ったため時間がなくまた寝ながらでも書ける政治記事ですが、韓国でパククネ大統領の政治スキャンダルが明るみになってからというもの隣国ながら大丈夫なのかと心配になるくらいの大騒ぎです。今日なんか検察庁に重機でツッコんだ人もいたそうで、下手なドタバタコメディ番組よりずっと面白いです。

 スキャンダルの中身についてはこの記事で詳細は省きますが、このスキャンダルを物にした韓国のケーブルテレビ局JTBCの取材には舌を巻くほどの凄まじい執念を覚えます。なんでも件のパククネ大統領と交友のあった女性が引き払った事務所で廃棄されたタブレットPCを回収して復元し、メール内容を解析したことから暴いたそうですが、ここのケーブルテレビ局の社長は著名なジャーナリストだったとのことでやはり実力ある人間のところには優秀な人が集まるもんだなと思うと共に強い敬意を覚えます。

 さてこの件ではスキャンダルの中身と韓国国内の混乱ぶりばかり伝えられていますが、あまりメディアで言われていない私個人が感じた点を述べると、パククネ大統領はその姿勢ぶりについては心底評価されていなかったのだなと感じました。報道などを総合するとパククネ大統領はこれまで政治的にクリーンな政治家と思われていたことが高支持率の要因となっており今回のスキャンダルでそれが否定されたことから支持率の急落を招いたそうですが、逆を言えばクリーンさしか政治的能力を持っておらず、その外交や内政といった姿勢能力については韓国国民からもさしたる評価を受けていなかったから今回急落することとなったように見えます。

 実際にこれまでのセウォル号事故や媚中とまで言われた対中国外交の結末などを見ているとお世辞にも勘の鋭い政治家とは思えず、以前にも書きましたが何かしらの信念を持って政治をやっているというよりは最後に話を聞いた人間から聞いた通りにやっているようにしか見えず、言い方を変えれば場当たり的な政治しかしていないように見えていました。外国にいる私(っていうかそもそも日本人が中国にいながら韓国政治語るのもおかしい気がする)から見てもこうなのだから、今の韓国人の糾弾ぶりを見ているとやっぱりその能力と資質に関してはみんなかねがね疑問に感じていたんでしょう。

 一応任期は2018年まであるそうですが、パククネ大統領の現状を見ると早くに退陣した方が韓国全体にとっても、本人のためにもいいでしょう。もっともプライドが無駄に高そうなのでよほど引き摺り下ろされない限りは自分から退陣することはないでしょうが、逆を言えばそうなると韓国国内の混乱は真面目に心配するほどひどくなるのではという気もします。
 サムスングループや大韓航空グループ(ついでにロッテグループ)は現在、製品事故と韓進海運の破綻とスキャンダルで結構大変な状態にあり、これに政治的混乱が拍車をかけるとなると外的要因にもよりますが非常に行く末が心配です。なのでこれに懲りたら、妙な目立ちたがり屋を大統領には据えないか、いっそのこと大統領制をやめて日本みたく議院内閣制にしたらどうかと提案してみたいです。真面目な話、韓国の国の規模と選挙区などを考えたら議院内閣制の方が合っている気がします。