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2013年9月11日水曜日

規制を緩和すべき業界、強化すべき業界

 最初にいつもの如く本題と関係ない話題ですが、大相撲の把瑠都関が本日、引退を発表しました。規格外のパワーと人懐っこい性格から高い人気を得て私も好きな力士でしたが、重量級の力士にありがちな膝の怪我から引退を決意したとのことです。力士人生、お疲れ様でした。

 そんなわけで本題ですが、2000年代以降の日本の政権はどれも「規制緩和」を大きな政治課題に掲げましたが、もっともこの四文字を連呼してなおかつそれを実際に実行したのはほかならぬ小泉政権でしょう。ただこの小泉政権は小泉純一郎氏が首相だった当時からも、本当に規制を緩和すべき業界が緩和されず、逆に緩和してはならない業界を緩和してしまったという批判が絶えず付きまとっておりました。
 この指摘について私はもっともだと感じるところもあればそういうわけでもないとも思っているところもあるのですが、そもそもどの業界の規制が問題なのか、先日に友人ともこの手の話題で盛り上がったので具体的にそういった業界を今日は取り上げてみようと思います。そんなわけで早速つらつら書いてくわけです。

<規制を緩和すべき業界>
1、銀行・証券業界
 日本の金融業はアメリカの圧迫によって保険業界だけは外資の参入が許されるなどまだ開かれておりますが、銀行と証券においては未だ厚い規制に国内企業が大事に保護されております。もっとも多かれ少なかれどこの国でも銀行業は保護される傾向にありますがそれにしたって日本の場合は守られ過ぎで、はっきり言いますが今のままだと海外市場で外国勢に簡単に負けると断言できます。
 また銀行業界の業務、具体的には住宅ローン事業は消費者の目から見てふざけるなといいたいくらいの制度になっており、ノーリスクで利ザヤを稼ぐあのやり方は一刻も早く改正するべきです。この辺についてはまた別記事にて詳しく解説します。

2、建設・不動産業界
 上記の住宅ローンともかかわってきますが不動産業界も規制がやたら多く、社会全体のためにも緩和するべきだと思います。もっともこの業界は規制によって業者が守られているという訳ではなく、むしろ業者の活動を著しく縛り自由な競争を妨害している節があります。まぁその妨害によってゼネコンは設けているのだが。

3、放送業界
 最も規制に守られているのはいうまでもなくこの放送業界でしょう。放送免許制度によって第三社の参入を完全にシャットアウトして独占産業になっているだけでなく、どんな不正を放送局がやったとしても何も罰則がないというイカれた業界です。ここもはっきり言いますが、包装行においては中国の方がまだ規制が少ないようにすら思える。NHK改革も遅々として進まないし。

規制を強化すべき業界
交通業界
 知ってる人には早いですが、タクシー業界では業界企業からの陳情を受けて総量規制が各地で始まっております。この業界こそが小泉政権の負の遺産と言ってもいい業界で、新規参入が相次いだことによって競争過多となった業界です。最もわかりやすい例は高速バス事業で去年、一昨年と従業員の激務が一因とみられる大事故も起きており、再び規制が強化されつつあります。

2、広告業界
 具体的には看板広告。自分もいろんな国行ったりしたけど駅前に風俗店やらパチンコ店の派手な看板が堂々と貼り付けられている国は日本くらいだとマジで思います。オリンピックも決まったわけだし、もう少し京都みたいに景観を大事にする意識を日本も持つべきじゃないでしょうか。

3、IT業界
 こちらは逆に国内企業を守るために規制設けたらどうかっていう提案です。というのも中国ではYoutubeが規制されて見れないのですが、この規制によって「優酷」という動画サイトは立派に成長を遂げました。現在の日本のIT企業で世界に太刀打ちできるのは数少ないことから、国内企業保護のために何かしら規制があってもいいとか思ってます。

 パッと思いつく限りだと以上のようなものです。銀行と不動産業界については言いたいことがたくさんあるのでまた今度、時間と体力がたっぷりある時にでも自分が不満に思うことを書いていくことにします。

2013年9月10日火曜日

漫画レビュー:怨み屋本舗シリーズ



 本題と全く関係ありませんが、前評判の高さと裏腹に現在クソゲーの名をほしいままにしている「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」のプレイ動画をはっつけておきます。このゲーム自体は私はプレイしたわけではありませんが、この動画に出てくるブチャラティの声優は雰囲気といい発声といい見事としか言いようがなく、特にこのラッシュ時の「アリアリアリ……」をここまで再現したのには脱帽です。

 話は本題に入って今日はくだらない話でも。このところ私の唯一の娯楽と言っていい漫画喫茶で読む漫画に「怨み屋本舗」というものがあります。この漫画は何度かタイトルを変えながらも2000年から今年まで実に13年も連載が続いている人気漫画で以前にはテレビドラマ化もされています。私がこの漫画を手に取ったのはつい先月のことで長く続いて人気だからさわりだけでも読んでみようと思ったことからでしたが、一読してすぐにはまり、現在はこの漫画を読み進めるためだけに漫画喫茶に通うようになっています。

 あらすじについて簡単に説明するととタイトルの通り、他人の復讐を代行する人たちのお話です。基本的に一話完結でぱっぱと読んで行けるのと、家族が殺されたとか理不尽な仕打ちを受けているといった恨みつらみに対して暗殺を含む復讐が実行されるので見ていてかなり気持ちがいいというかカタルシスを覚えます。特筆すべきは主人公である「怨み屋(♀)」のキャラクターで作中にも書かれていますが、「これ以上のドSはいねぇ(;゚Д゚)」って言いたくなるくらいえげつない復讐方法を考案し、実行したりします。ただその一方で自分が前面に出てきてことを動かすことがなく、あくまで黒子の様に動き回るのがほかの漫画の主人公と違い、それがこの漫画の人気の原動力だと思えます。

 と、ここまでであれば大したことのない漫画レビューですが、私がこの漫画を読んで高く評価しているのはその面白さ以上に作者の社会問題意識です。というのもこの作品では警官の汚職や生活保護問題、隣人問題といった様々な社会問題が題材に取られていることが多く、なおかつその内容もかなり詳しい部分にまで踏み来れています。でもって登場人物の中の一人に明らかに作者の問題意識を代弁するキャラクター(「情報屋」というキャラ)がいて、一体何故その問題が良くないのか、どうして社会的に不公平なのかを詳しく解説しており、地味に読んでて為になります。
 さらにというか作者のホームページでプロフィール欄を読むと、「『バクマン』のようには上手くいかず、何回か提出した連載ネームでつまづき撃沈」と書かれてあり、作品以上に作者の栗原正尚氏に対して好感を持ちました。

 ちょっと持ち上げ過ぎかと思えるレビューですが、私個人としては他の人にも強く推薦できる漫画なので少しでも興味を持った方はぜひとも手に取ってみることをお勧めします。それにしても、楠桂氏の「鬼切丸」といい、復讐話が自分はやっぱ好きだなと思える次第です。

2013年9月8日日曜日

東京五輪招致成功と消費税増税確定について

 まずは何あれおめでとうというべきか、2020年のオリンピック東京開催が昨夜決まりました。ちょうど昨日の晩にも友人とどうなるか話したばかりだったのですが、今回の投票は本当にどうなるか票が読めず、それだけに東京に決まったことは素直に驚きを感じました。
 前報道に就いて少しだけ述べると、4年前の招致レースでは日系メディアがさも東京で決まり、ライバルはパリだという報道が非常に目立ちましたが、蓋を開けてみると立候補した4都市のうちでパリが真っ先に落選し、東京もその次に落選するという結果となり、やや時刻に偏った報道だったと強く記憶しております。それだけに今回の招致レースではどうかなと注意深く見ていましたが、最終盤までどうなるかわからない、スペインやイスタンブールとともに東京も一長一短だという具合で比較的冷静な報道姿勢だったように思えます。

 それで今回の五輪招致成功についてですが、単純に言って日本にとっては非常にプラスになると断言できます。五輪開催に向けたインフラ投資が進むほか、近年の日本は国民全体が何か一つの目標を持つというか大義が存在しておらず、東日本大震災の復興意識もわずか2年でしぼんでいますが、今回の五輪開催決定は2020年と時間が区切られているため新たな指標として大いに期待出来るかと思います。私の感覚的には消費や投資よりも、国民の意識への好影響の方が価値あるような気がします。

 そして何よりというか、今回の五輪招致成功で最も大きな成果といえるのは消費税増税の確定です。消費税の増税は野田前首相が文字通り乾坤一擲で議会を通しましたが景気への影響を考慮して増税幅や増税の時期変更について現在に至るまでかまびすしく議論されております。現時点の情報では安倍首相が来月上旬にも増税を予定通りに実施するか決断し、発表すると伝えられておりますが、私は今回の五輪商事成功によって予定通りに増税することが確定されたと考えています。

 理由は二つ。一つ目は五輪招致成功によって景気のさらなる上向きが期待され、これまで懸念されてきた増税による景気への悪影響に対する不安が一蹴されたことです。もう一つは五輪開催に向けたインフラ整備に当たって単純に資金が必要となり、増税することに対して国民の理解が得やすくなるからです。最早増税を阻む障害はほぼなくなったと言ってもよく、安倍首相は間違いなく増税を予定通り断行すると私は予想します。そしてその上で言うと、増税が実施されることによって少なくとも株式市場はさらなる活況が期待されます。

 先月にも知り合いに、「なんで消費税を増税することが景気をよくするんだ?」と聞かれて詳しく解説しましたが、少なくとも株式市場においては消費税増税は格好の好材料です。というのも海外の投資家の日本に対する懸念は過大な債務で、それを今後どのように減らしていくかに焦点が集まっているからです。
 そしてもう一つ、こちらの方が重要なのですが、同じように海外の投資家は消費税増税によって日本国内でインフレが進むことを強く期待しています。この辺は貨幣の実質価値との関係があってうまく説明できますが、とにもかくにも外人は日本が増税して、インフレが進むことを期待しており、それによって投資市場はよくなっていくという観測を私はしております。

 株式市場が景気を必ずしも左右するわけではないですが、消費税増税は避けてはならない課題だしそれによってインフレが起こればいい循環にもなると思え、それだけに今回の五輪招致は非常にいい材料になったと思えます。安倍首相も今回の成功で少なくとも来年までは確実に政権に留まれますし、日本もようやく明るい材料来たかなと今は思います。

2013年9月7日土曜日

HSK5級、6級の試験対策

 本日、都内某所(水道橋駅近くの日大キャンパス内)でHSKという中国語の資格試験を受験してきました。このごろブログ更新を休みがちだったのはこの試験対策が第一ですが、そういっている割にはパワプロやっている時間の方が長かったような気がします。我ながら、真面目にやれよなぁ。

 まずHSKについて簡単に説明しますが、これは中国政府が主催する中国語能力試験で、元々は中国国内にいる中国語を母語としない少数民族出身者が大学入学するに当たってその中国語能力を測るために作られました。現在では中国語を学ぶ外国人向けにアレンジが進み、中国にある大学に本科生として留学する条件としてHSKの資格を要求する大学もあります。
HSKについて私なりの評価を述べると、少なくとも中国語検定よりは信用が出来ます。というのも中国語検定は上級になるにつれて「こんなの実生活でまず使わないだろう」という文語的表現を問う問題が多くなり、あまり実践的とは言えない試験です。それに対してHSKは問題がややシュールなのが多いですが日常的な話題が多く、なおかつヒアリング問題に良い題材を取ってきているので私が人事担当なら中検は無視してもHSKはちゃんと見ます。

 私はこのHSKを大分昔、北京で留学中に一度受験し、当時1~11級(数字が高いほどランクが上)ある中で7級を取得しました。ただその後で制度が変わって現在のHSKは1~6級の6ランクとなったので、今年3月に5級を受験して無事合格。でもって今回は最上級の6級を受けてきたというわけです。
 だいぶ前置きが長くなりましたがそんなわけで、今日は自分の体験からこのHSKの5級、6級対策について書いてみようかと思います。それにしても5級はともかくとして、6級はまだ受かったかどうかも分からないのに書き出すのが私らしい。

 まず5級、6級がどのくらいのランクなのか私なりに評価を述べると、5級を取得していれば間違いなく中国語上級者と言っていいと思います。曲がりなりにも中国語の翻訳ライターをやっていた身から言わせてもらえば、私自身は翻訳の仕事を始めた当時だと5級を取得できたかどうか怪しいレベルだったように思え、ワンランク下であることを前提とすると4級取得くらいの実力があれば翻訳ライターはやれるんじゃないかと思います。もっとも翻訳ライターは中国語の能力以前に日本語の文章力が問われますが。

 まず5級、6級に共通する点から述べていきますが、どちらもヒアリング、読解、作文の3部門にテストが分かれており、それぞれ100点ずつ、計300点の配点となっております。合格ラインは6割、つまり180点以上となっているため、ぶっちゃけヒアリングが20点、読解が80点、作文が80点でも合格となります。日本人は欧米人に比べて漢字を初めから理解しているため読解問題で高得点を叩きだす傾向があるため、厄介で運の要素も絡むヒアリングを補うために8割くらいの得点を狙うべきでしょう。

 では5級をどんな問題があってどんな対策が必要かですが、ヒアリングに関しては短文を述べる形式と対話形式の2種類の問題が出てきます。短文形式はそのまんま内容と一致するものを選択肢から選ぶので対策は特にありませんが、対話形式については選択肢に紛らわしいものが非常に多くて私自身としては非常に苦手でした。ここだけの話、ヒアリングだけなら6級の方が簡単だった。
 読解問題は非常に基本的な文法を聞いてくることが多いので地道に勉強をするのが第一ですが、後半に比較的長い文章を読む問題が用意されており、長文に慣れていない人はペース配分をしっかり考えて取り組む必要があります。なおその長文問題ですが、こちらはひっかけなどが少なくじっくりとしっかり読めば確実に点を取れるところなので、運も絡む前半の細かい文法を問う問題はぱっぱとやり過ごしてしまうことをお勧めします。

 そして最後の作文問題。これは2種類の形式に分かれててまず最初に用意されている単語を組み立てて文章にする問題が出されます。私が最初に5級の問題集で対策をした時にこの組立て問題の正解率があまり良くなくてちょっと手こずったのですが、対策というか傾向として「是~的(~は~だ!)」という構文が多く、この構文を意識して問題を見ることで正解率が高まりました。
 作文問題のもう一つの問題形式はその名のとおり作文で、用意されている写真を見て何かしら好きなことを200字で書けと出題されてます。ひとまず文字数を稼ぐことに集中して私は書きましたが配点はどうなってるかわからずどんなものかと気を揉んでましたが、結果は合格だったので文法とかにこだわるくらいなら適当な内容で文字数埋める方がいいでしょう。

 話は移って6級。基本的な問題構成は5級と同じですが、ヒアリング問題は5級と比べてかなり長大な会話文が出てきます。具体的にはテレビやラジオでのインタビュー文が出てきて今日受けた奴なんか女性漫画家のインタビューでした。これは全文聞き取るのはかなり至難の業ですが、そのかわりに出される問題は比較的簡単なので何度か練習すれば正解率は上がると思います。でもって読解問題は基本的に5級と同じで難しさもそう変わりません。
 逆に大きく変わるのは作文問題。こちらは長文を10分で読んだ後に同じ内容を400字前後に中国語で要約せよと出されます。何度か練習してきたものの今日の試験ではなかなか手ごわく、配点もわからないだけにどんな成績が出るか全くわかりません。ヒアリングと読解は大丈夫だとは思うんだけど。

 あまり対策の話をすることが出来ませんでしたが、基本的には問題に慣れることが大事なので公式問題集などを繰り返し解くことが重要だと思います。特に6級の作文問題は模範解答でもいいと思ったのでそれをそのまま書き写すなどして私は対策しましたが、何もしないで臨むよりかはよかったと思います。

  おまけ
 過去問にあった作文問題の内容でこんなのがありました。

「デート中に寄った喫茶店で男が緊張のあまりウェイターに塩を持ってこさせてしまったので、それをコーヒーに入れてごまかした。それからそのカップルは付き合い始めたが喫茶店に寄る度に女は男がコーヒーに塩を入れるからとウェイターに塩を持ってこさせ、男も嘘だったと言えず毎回入れていた。その後、二人は結婚して男の方が先に天寿を全うしたが、妻宛の遺書には嘘だったことを隠しててごめんと謝った上で塩入りコーヒーは本当にまずかったと書き残していた」

 なんていうか、本当に中国語の問題はシュールです。

  追記
 この時の試験でHSK6級に受かりました。点数はかなりギリギリだったけど。

2013年9月5日木曜日

格差問題の後の共産党

 かなーり昔、具体的には2008年にこのブログで書いた記事で、「格差社会に対する問題意識が広がる中で蟹工船がブーム、そして共産党へ入党する若者が増えている」というニュースを取り上げました。あれからもう5年も経って自分もいろんな意味で人生に疲れたりもしているのですが、共産党の変化に対してちょっと書いてみようかなという気になりました。

 今日も忙しいのでまた短くまとめますが、5年前の共産党の入党ブームはやはり一時的なものだったようで、その後共産党の党員数が拡大を続けているという報道は見当たりません。ただ共産党への支持という意味ではこの5年間で確かに高まっているということは言えるように思え、先の選挙においても社民党がもはや政党として存続できなくなったり、民主党が内部崩壊しているのに対し、大幅な議員の減少もなければ確固たる野党として存続を続けております。

 言ってしまえば格差是正を訴えるという意味では社民党も共産党も同じスタイルです。にもかかわらず何故両者にこれほど差が出てきたのかいろいろ考えることが出来ますが、一番大きな差だったのは社民党が場当たり的な行動が多く古参の支持層を失っていったのに対し、共産党は古参の支持層が離れない程度に野党のスタイルを保ったことが大きかったように思えます。もっとも、だからと言って共産党が政党として優れているかはまた別問題ではあり、私自身としては野党としては現在ある政党の中で一番マシかもしれないけど、政権は取ってはならないなと見ています。

 調子が悪いのが続いてて文章もノリが悪いですが、今のところ共産党への支持は格差問題から広がっているというわけではなく、与党である自民党に反感を持つ層の受け皿となるのがここしかなかったからというのが最も大きな理由でしょう。逆に言えばほかの野党は受け皿になることも出来ないほど未熟ってことですが、昨日も書いたように社会主義、共産主義自体がどことなく、反逆思想の高い人間と相性がいい。特に大きな理由はないけど何かと目立つ存在が憎い、っていうような人と相性がいいように思え、どれだけ弾圧したって案外なくならずに細々とやっていくかもしれません。

 ただなんというか、本当に疲れているのかまた変なことを書いていきますが、やっぱり世の中にはそういうマイノリティを受け入れる組織なり団体なりが必要なんじゃないかとこの頃よく思います。暴力団は論外で叩き潰すべきだという立場をとりますが、ちょっと反逆思考というかアンチセントらリズムを気取る集団がないと世の中回ってかないように思えます。自分がそういう人間の一人であるだけに、強く強く感じます。

2013年9月4日水曜日

社会主義と私

 最近また忙しいので短い記事でも書こうと思ったら、なんだか妙なタイトルになって自分でもびっくりです。

 このブログを長く見続けてくれている方には早いでしょうが、何かと社会主義と私は縁があります。一番大きいものだと名目上は社会主義である中国が大好きで留学したり働きに行ったりして、果てには文化大革命について長々と解説記事を書くなどその入れ込みっぷりは異常と言ってもいいでしょう。このほか連合赤軍の事件にもやたら傾倒して調べており、自分の世代の中ではこの方面の知識がトップクラスに豊富に持っているという自負があります。

 一体なんでこういう社会主義関連にやたら興味を持つのかというと、単純に自分の性格なり思想と相性がいいのだと思います。昔に後輩にも、「花園さんが全共闘の時代にいればきっとヒーローでしたよ」と褒め言葉なのか皮肉なのかよくわからない言われ方をされましたが、私自身もきっとヒーローになっていたと本気で思ってます。北朝鮮にも飛んでったかもなぁ。

 もっともこれだけ相性がいいと言いながらですが、現代の日本の社会主義政党、具体的には社民党と共産党に対してはこのブログを中心にかなり激しく批判を続けておりますし、社会主義の思想も実現不可能なカビの生えた腐った概念だと断言します。なのになぜ昔の社会主義関連の事件に惹かれるのか、悪い言い方をすると今の世の中が気に食わないから真逆の概念を必死で探そうとしているかのように思えます。ただこれを良い言い方に変えるとすると、現代の世の中を客観的に見ようとするため、比較対象として学ぼうとしているとも捉えられます。
 あと時代的というか、ちょうど日本の民主主義が行き詰まりを見せた頃に青春時代を過ごしており、社会主義の一党独裁による支配体制にも妙な感慨を持ったのもあるかもしれません。そういう事書いてたらかなり昔に書いた記事を思い出したので、明日はちょっと振り返る意味も込めてその記事の続編でも書いてみようかな。

2013年9月2日月曜日

奈良ドリームランドを偲ぶ

 先々週末は名古屋に左遷された親父の所へ遊びに行っていたのですが雨上りの散歩中に突拍子もなく、「関西で年配の人と話をする際、奈良ドリームランドのことに触れると話がしやすい」と私の方から口に出しました。なんでこんな内容を話題に挙げたのか自分でもよくわからないのですがなにか神様の配慮があったのか、その後に立ち寄った喫茶店(岡崎市内)に置いてあった週刊現代にまさにその奈良ドリームランドについて書かれた記事が載ってありました。

奈良ドリームランド(Wikipedia)

 関西圏に住んでいたことのある人間には説明は要らないでしょう。それはかつて奈良市にあったテーマパークで、私と同年代の人間も小学校の遠足などで一度は訪れたことがあるはずです。少なくても私の周りの関西人はみんなそう言ってました。

 では関西圏以外の人向けに解説を開始しますが、この奈良ドリームランドは実業家の松尾國三によって1961年に開業したテーマパークです。当時の日本は高度経済成長期まっただ中で松尾國三もそうした追い風を受けて一代で興行会社、そして不動産会社を経営するに至りました。そんな彼が何故テーマパーク事業に進出したのかというと、自分も意外だったのですがアメリカのディズニーランドを訪れたことがきっかけでした。
 ディズニーランドを訪れた松尾國三は日本にもこのような娯楽施設が必要だと考え、ウォルト・ディズニーに直談判してノウハウ等の協力を要請しました。松尾側はこの際に「日本版ディズニーランドの開園許可を得た」、つまりフランチャイズ契約を結んだと主張し、実際にディズニー側から開園に向けた開発で技術スタッフの派遣を受けてはおりますが、ディズニー側の主張はこれとは少し異なり、「フランチャイズ契約料の交渉で折り合いがつかず破談となった」と述べているそうです。

 この交渉が実際にどうだったかについては定かでない部分が多いですが、少なくとも松尾國三とウォルト・ディズニーが直接会ったのは間違いなく、そして当初はお互いに協力する方針であったのではないかと私は思います。ただ松尾側はアメリカにあるディズニーランド内で勝手に写真の撮影や測量を始めたりするなどしてディズニー側の顰蹙を買ったと言われ、その後の交渉でどうも行き詰まったような感じです。
 なおこのような経緯があったことから現在の東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドがディズニーに対してフランチャイズ交渉をする際、「日本人はかつてディズニーランドをパクッた」などと言われ交渉が難航する原因になったとも言われています。もっとも、オリエンタルランドは日本で大成功を収めてますが。

 話は戻って奈良ドリームランド。ディズニーとのすったもんだがあったものの開園にはこぎつけます。設立地はいうまでもなく奈良市ですがこれは他の都市に比べ奈良市が特に誘致に熱心だったことからですが、松尾國三は当初、人口の多い東京周辺に設立をする計画だったそうです。
 開園後の奈良ドリームランドは当時としては珍しい乗り物を使ったアトラクションが多数あったことや日本初の本格的なテーマパークだったことから盛況となります。当時の状況について関西出身のうちの親父に聞いてみると、初めて行った時は本当に衝撃的だったらしく、このような楽しい場所がこの世にあるのかと思うような印象だったと話してました。親父も若かったんだな。

 ただその後、似たようなテーマパークが乱立し、しかも奈良ドリームランドは奈良駅からバスで移動しなければならないという交通アクセスの不便さがたたり、時代を経るにつ入れて徐々に来園者数は減少していきます。特に交通アクセスの不便さについては近畿で最も人口の多い大阪から行くには遠すぎるというのがかなりネックだったそうで、USJが出来てからはその動きに拍車がかかっていきます。
 この交通アクセスの問題はどこまでもついて回るようで、奈良ドリームランドに続いて1964年に作られた横浜ドリームランドでも同じ問題が起こっております。横浜ドリームランドはベッドタウン化が進む横浜市に設立されたのですが、こちらは時代が経るにつれて人口が急増し、周辺道路では大渋滞が日常茶飯事となり来園者の到達までの負担が非常に高かったそうです。しかも渋滞対策として1966年に導入した国鉄大船駅と結ぶモノレールは、技術上の欠陥によって運行開始からわずか1年5ヶ月で休止に追い込まれてます。今日はやけに頻出のうちの親父によるとこのモノレールを作ったのは東芝だったそうで、「東芝がやらかしたから閉園に追い込まれたんだ」とやけに悔しそうに言ってました。

 兵どもが夢の址ではないですが、横浜ドリームランドは2002年に、奈良ドリームランドは2006年にそれぞれ経営悪化から閉園しております。ちょうどというか自分が学生として京都にいた際、この奈良ドリームランドだけでなく同じ奈良市にあったテーマパークの近鉄あやめ池遊園地も2004年に閉園し、目の前で関西のテーマパークがばたばた倒れるさまをまざまざと見せつけられていました。一応、志摩スペイン村とひらかたパーク、生駒山上遊園地はまだ存続して頑張ってますが。
 私は奈良ドリームランドが閉園する数年前に京都へと渡ったのですが、自転車で奈良市を訪れた際に少し道を間違えたことから奈良ドリームランドの敷地近くを通りかかったことがありました。それまで関東育ちだったこともありこういう遊園地が関西にはあるんだな程度に思いませんでしたが、その後に関西の人たちと奈良ドリームランドについて話をするたびにみんなが楽しそうにその思い出を語るを見るにつけ、一回でもいいから遊びに行っておけばよかったと今は思います。そう言いつつも、残っている三つの遊園地にはどれも行ってないのですが。

 最後にまた蛇足な内容を加えますが、松尾國三が起ち上げドリームランドを運営していたのはドリーム観光という会社ですが、この会社はいろんな事業をやっておりその運営施設の一つには千日デパートも含まれています。この千日デパートというのは1972年に大規模な火災が起こり118人が死亡し、その後に取り壊された商業施設です。こっちの事件は以前に昭和の事件を調べていた際に印象に残ってて覚えていたのですが、それがまさか奈良ドリームランドと関係があったとは思いもよらず、せっかくなのでまとめて紹介してみようと思ったわけです。
 ちなみに、この千日デパートの跡地には現在、ビッグカメラなんば店が建ってるそうです。こういう風に見てみると妙な現実感が湧いてくる。