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2017年4月19日水曜日

現代日本人は「生き残りたい」?


 上の曲は「マクロスF」というアニメの主題歌に使われた「ライオン」という曲ですが、この曲で特徴的なのはアニメ本編がダブルヒロインであることにかけてデュオ曲であることもさることながら、サビ部分で幾度となく「生き残りたい」という言葉を繰り返す点でしょう。実際私も初めて聞いた時は「なんやこの曲?」という具合でギョッとしました。
 なお前後の歌詞は「舐め合ってもライオンは強い 生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる 星座の導きで今~」となっており、歌詞に全く脈絡がなく「生き残りたい」という単語しか耳に残らないように出来てます。

 そんなこの曲ですが、実はアニソンのカラオケ使用曲としては「残酷な天使のテーゼ」に続いて二番目に多く歌われる曲だそうです。どうでもいいですが学生時代に「残酷なニートのテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ♪」という替え歌が周囲で流行りました。
 話は戻って「ライオン」についてですが、どうしてこの曲がこれだけ流行ったというか人気を博しているのかについて考えたところやはりその特徴的な歌詞に理由があるのではないかと思うと同時に、地味に日本人の心の声を拾っているからじゃないかと久々に頭のまわっていた一昨日に閃きました。言い変えれば、現代日本人の願望は「生き残りたい」という言葉に集約されるのではないかと言いたいわけです。

 このように考えたきっかけは最近日本人、特に若者と話をしていて「将来何かしたい事とかあるの?」と聞いたりすると、その場ですぐ明確に答えず曖昧な回答に終始することが多く、しつこく何度尋ねても本音を言わず、どちらかと言えば体裁を整えた返事しかしないことが多かったからです。なにも人生すべてを投げ打つかのような崇高な目標を聞いてるわけでなく、「こういう仕事に付きたい」とか「将来何かしら文章で作品を残したい」などのアバウトな答えでいいのに何故それすらも言えないのかと観察した所、あくまで私の見方ですが、そもそもそういう具体的な目標めいた本音なぞ初めからなく、むしろとことん追求した所で出てくる根源的な願望というのが冒頭の「生き残りたい」に集約されるのではないかと思えてきたわけです。

 これはなにも最近の若者に限るわけでなく、私が学生だった頃の周囲の人間もほぼこうでした。就活において何かやりたい仕事とかそういうものを目指すわけでなくまずは内定を得ること、次にブラック企業じゃないところで働く、その上でなるべく安定した仕事でワークライフバランスを保つという順番で願望を持っており、やりたい仕事とか希望する職種などへの意識は非常に低いものでした。恐らくこうした傾向は現在にも当てはまるように見え、やりたい仕事よりも安定した職業生活を求めてる人が多いように思えます。
 また若年層に限らずとも、壮年層においては「なるべく今の状態のまま定年まで逃げ切りたい」という意思が見え隠れする発言が多い気がします。実際ちょっと前まで大変だったシャープ社内で定年退職する人はめっちゃいい笑顔だったという話を聞きます。

 なにも現代日本人が「将来こうしたい」みたいな希望や願望を何も持っていないとまでは言うつもりはありません。ただ、そうした希望や願望以上に「生き残りたい」という意思の方が幅を取っているというか強すぎるのが今の日本を包む状況ではないかと私は見ているわけです。愛だの希望だのよりもとにもかくにも生き残りたいというのが今の日本人のメンタリティで、言うなれば発展性よりも現状維持の方についつい思考が向きやすいのかなというわけで、攻めるチャンスがあってもなかなか攻めないものの、後退しそうな状況になって必死で頑張り出すみたいなイメージです。

 だからこそ冒頭の「ライオン」という曲が、変な具合に琴線というか日本人の声には出ないけど叫び出したい本音に触れてヒットしたのかなというのが私の見方なのですが、もしそうなら日本の未来はウォウウォウ言うよりもそういったサバイバル感のする歌詞の方が今の時代は受け入れられやすいのかもしれません。
 考えがここまでに至った際、私の中で真っ先に浮かんだのは以下の歌詞というかAAでした。


イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!
    -=≡ ∩ 彡⌒ミ ∩
 -=≡   .ヽ(´・ω・`) /
-=≡     (    /
 -=≡   (   ⌒)
  -=≡  し  し'

ウォウ!ウォウ!ウォウ!ウォウ!

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