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2016年11月4日金曜日

中国の自動販売機(--〆)

 友人に進められたこともあるので中国の自動販売機市場について今日は書きます。

 まず大前提として、自動販売機の台数は間違いなく日本が世界最高で、日本みたく日常のどこにでも自販機が存在する国は存在しません。聞くところによると野外に自販機を置けるのは日本位なもので、ほかの国で同じことすればあっという間に釣銭とか盗まれたり壊されたりするそうです。
 そんなもんだから中国も自販機がある場所といったら基本的に屋内で、上海市内だと一番目立つのは地下鉄駅構内です。かつては全く存在しませんでしたがここ数年で台数は大きく増加し、証明写真の自動撮影機も地下鉄駅ならどこでも見られるようになりました。何気に証明写真の方は大学のゼミの同期が輸出してました。

 自販機そのもののメーカーについてははっきりと確認していませんが、恐らく日系企業が大半だと思われます。以前に筐体表面にでっかく「KUBOTA」と自己主張も甚だしい自販機を上海市内で見つけましたが、構造的にもノウハウ的にも日本が進んでいて逆に中国メーカー製ってのは見ないし聞かないので恐らく間違いないでしょう。構造もほとんど同じ売っているのもペットボトルの水とかコーラが大半です。

 ただこの前、ちょっと面白い自販機があり、具体的に言うと携帯電話で料金を払うという自動販売機でした。こういうと恐らく大半の方はSUICAでピッと決済する自販機を想像されると思いますがその上海で見た自販機はなんと、アプリで決済するという自販機でした。
 どのようにして使うのかというと、まずは買いたい飲料のボタンを押します。すると表面についている小さいモニターにQRコードが表示されるのでそれを携帯電話のカメラで取り込むと、電子決済アプリの「微信支付」が起動し、支払うかどうかの確認画面が出て決済用暗証番号を入力して承認すると、ガコンと飲料が落ちてくるという代物でした。

 タッチしてピッの自販機ならいざ知らず、このような自動決済機能を持った自販機はなかなかに珍しく、たまたま一緒にいた上海人の友人と二人して興奮してもう一回試そうということになり、私がその友人に何か飲料をおごってやると言ったら一番高いレッドブル頼もうとしやがったので「コーラにしとけ」と無理矢理変えさせました。でもって、二度目も滞りなくガコンとコーラが落ちてきました。
 ちなみに私が先に買ったのは「凍紅茶」というアイスティーです。

 前に日本人の友人と電子決済市場について話した際、小売店側が電子決済に対応するためには専用端末を揃える必要があり急には広がりはしないだろうとその友人は主張しましたが、上記の自販機を始めとして中国の場合はQRコードとアプリを使うことで電子決済を実現しており、専用のハードなど使わなくても従来のハード、下手すればQRコードが読めるレジ用スキャナなり携帯電話があればどこでも対応できるのでそれは違うと否定しました。何気にそう考えると、先ほどの電子決済が出来る自販機というのは地味にすごい代物のように思えてきます。

 またその時、友人には直接言いはしませんでしたが話をしていながら、「日本人はやっぱりハードから考えるな」と内心で思っていました。新しいサービスなりを普及するに当たってまずどんなハードを作って導入するかを日本人は考えがちですが、中国人の場合はこれとは対照的にソフトから考え、その後で既存ハードを再利用というかそのまま使おうとします。実際、飲食店などに行くと客からのオーダーを携帯電話(スマホ、フィーチャーフォンの両方ともあり)で入力して伝達、記録する店もそれほど珍しくなく、こうした活用方は日本人には無理でまず専用端末を作ろうとするなといっつも思います。

 少し話がずれましたが、もしかしたら日本にも上記のようなQRコードで買えるような自販機がもうあるかもしれませんが、広範なサービスに関してはやはりハードよりソフトから考えるべきで、この点に関しては中国の方が明らかに日本を上回っていると私には思えます。たかが自販機されど自販機といったところです。

  おまけ
 勤務先のオフィスにもお菓子とかジュースを売っている自販機がありますが、5元札入れて3元のコーラ買ったらお釣りの2元が何故か毎回出てこないので魔の自販機と勝手に呼んでます。

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