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2016年8月25日木曜日

日中韓で異なるビジネス上の騙し方

 日本人の大半が中国人にいい感情を持っていない、っていうかはっきり言って嫌いだというのは各種統計からも間違いのない事実でありますが、一体何故中国人が嫌いなのかというと尖閣諸島問題を始めとする外交問題に加えビジネス上で中国人に騙されるということが多いことも大きいでしょう。ネットで検索でもすれば商売で中国人に騙されたというケースはいくらでも見つけることができるのですが、逆に日本人が中国人を騙したというケースは全く見つかりません
 厳密に言えば外国人研修制度を悪用した業者が何も知らない中国人労働者を騙して日本に連れて行き搾取しているという事実が存在しますが、こと企業間、ビジネス上の話に限れば日本人は中国人に騙されっぱなしでいいようにやられている一方です。これは中国国内でも同じで、ビジネスで中国人が日本人に騙されたという話は全く聞かず、むしろ騙される中国人がいるとしたら何か大きな欠陥抱えてるんじゃないかと心配にもなります。

 では中国人はどんなふうにして日本人をビジネスで騙すのでしょうか。いくつか私が聞いたケースで話すと、やはり一番多い場面としては代金の支払い時で、あれこれ理由をつけて支払いを先延ばしにしようとしたり、一部代金をごまかそうとしたりすることが多いです。実際に友人が体験した話をすると支払日を過ぎても納金されないので催促をかけたところ、「円建ての商品なんだけど、今は円高だから円安になったら払うよ」と、「それっていつよ?」と言いたくなることを言われたそうです。

 もっともこういう支払い時に揉めるというのは国籍関係なくどこでも日本人同士でもしょっちゅう起こることなのであまり文化的な影響は多くないと思います。では中国人に独特のビジネス上の騙し方というかズルの仕方としてどんなのがあるかですが、私が思うに代表的なのは契約で取り決めていない行為を平気でやるというのがあるという気がします。
 具体例を出すと、ある日系メーカーが自社商品を中国で取扱い、販売する代理店契約を中国企業と結んだところ、その日系メーカー製の製品以外の製品にも日系メーカーのロゴや商標を貼り付けまくって販売していたという事例があります。こういう例はゴルフ道具やアパレル製品に多いのですが、知的財産権が緩い国なだけあって代理店契約を結んだだけなのに商標権まで図々しく勝手に使う傾向は明らかにあると思います。

 もう一つ例を出すと、製品の現地加工を中国企業に委託してその加工方法や材料を詳しく指定した矢先、勝手に一部加工を省略したり、材料をほかの安いものに変えたりするケースも非常に多いです。しかも発覚した後でクレームを出したら、「性能的には問題ない」とか、「指定された材料よりも安くて儲かる(・`ω・)ドヤッ.」などと全く悪びれることがありません。っていうか後者に至っては、儲かるのは中国企業であって日系企業には一銭も入ってこないのに何故か一仕事やってのけたみたいに言ってきます。
 契約できちんと指定したにもかかわらずこういうことをやらかすこともありますが、往々にして契約を拡大解釈したり、頼んでもないことを勝手にやったりサボったりして騙すケースが少なくありません。そして先ほども述べた通りに発覚した時には全く悪びれることがないのが大きな特徴で、この点が日本人からすると理解し辛いふてぶてしさで、最初目撃したら強い違和感を覚えると思われます。

 ただこうやって日本人をビジネス上でよく騙す中国人ですが、上には上がいるというか彼らも相手が韓国人となると立場が見事に逆転し、韓国人に中国人が一方的に騙され続けるという話をよく聞きます。日本人が中国人を騙してのけるという話がないのと同様に、中国人が韓国人に騙してのけるという話はほとんど聞かれません
 この件について中国人に尋ねるとほぼ確実にみんな熱を帯びて、「そうなんだよ!いっつも韓国人に騙される」と力説し出して、多分ほっといたら30分は延々と話し続けてくれます。以前、名古屋へ左遷されたうちの親父と大連に旅行行った時にも中国人ガイドがまさにこのような説明をし他のですがこれを聞いてうちの親父は、「日本人を騙す中国人を騙すんだから韓国人は大したもんだ」と、妙に感心してました。

 ではその韓国人は一体どのようにして中国人をビジネスで騙すのかというと、一番よく聞くのはいわゆる「とんずら」です。最初は小さく、確実に取引を行って信用を作り、大口の発注をして納品されるや代金を払わずに消えてしまうという夜逃げに近い騙し方ですが、こういう話はよく聞きます。また消えてしまわなくても、大口の発注で納品を受けるや代金を一切払わないというのも多いです。もちろん中国人も馬鹿じゃないので取り立てようとしますが、頑として一銭も払おうとせずに踏み倒すと言われ、あの中国人が泣きを見るというのですから相当なものなのでしょう。

 以上の様になんだかんだ言いつつ国ごとにビジネスでの騙し方に違いがあるというか文化的な差があると共に、明らかな強弱関係があると思ったので今日はこんな記事を書いてみました。なお公平を期すため日本人の騙し方について最後少し触れると、基本は日本人同士での騙し合いになりますが私の感覚だと知らない振りをする、覚えていない振りをするというパターンが多いような気がします。
 たとえば散々クレームをつけて代品とか届けた後で実は元々欠陥が無かったりした時とかに、「あれ、代品出せってそんなこと言いましたっけ?」とすっとぼけてごまかすパターンがやや典型的かなと考えています。こうなるのも割と日本人は契約書を重視せず口約束で物事を進める傾向が強いため、言った言わないでお互いにごまかし合ったり騙し合ったりしやすい環境にあり、しかも強くクレームを言わない大人しさがそうした傾向に拍車をかけていると思います。

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