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2015年7月29日水曜日

スバル系列工場の外国人労働者について

 久々に読み応えのある記事を見つけたので、このブログでも紹介することとします。リンク先の記事本文は非常に長いのですが、非常に重大な問題提起をしている記事でもあるのでこれを機に是非読んでもらいたいのが真情です。

特別リポート:「スバル」快走の陰で軽視される外国人労働者(ロイター)

 記事概要を簡単に説明すると現在業績絶好調が続くスバルブランドでおなじみの富士重工業ですが、その業績好調の陰では系列の下請け工場で非常に多くの外国人労働者が劣悪な環境で働かされているという衝撃的な事実を報じております。その労働環境とは最低賃金ギリギリでの就労は当たり前で、難民申請者であったり、現代の奴隷制度とまで言われる外国人研修生などの外国人にはその不安定な立場に付け込み、劣悪な待遇で働かされている実態が紹介されています。
 特に私が目を疑ったのは労災時の対応で、指の切断という重大事故が起こったにもかかわらずすぐには救急車を呼ばなかったあまりか、会社側もさほど問題視していないというまるで人間として扱っていないような現場の状況も描かれております。

 記事によると、下請け部品メーカー4社の全従業員に対し外国人労働者が占める割合は約30%も占めており、彼ら外国人労働者なくして生産は成り立たないほど労働力を依存している状況です。働かされている外国人労働者は日本で就労するに当たって自国の仲介業者などに借金をしてきているため、どれだけきつい労働現場であっても逃げることはできず、またその生活も彼らを派遣した業者などに制限された上に給与からマージンも取られるという有様だそうです。
 こうした状況に対して富士重工側は、下請け企業の雇用については関与していないとけんもほろろな回答をしています。一応、下請けに対して人権は守るようにと伝えてはいるそうですが、さすがにそういった下請けに部品作らせて買っている以上、関係ないっていうのはないんじゃないかと私は思いますが。

 これ以上の記事内容についてはここで私が四の五の言うよりも直接元記事を見てもらう方が早いので省略しますが、私の方から付け加える点としてこの記事がロイターという海外メディアから出ていることに色々と考えさせられます。恐らく日系メディアではこういう記事はとても書けるものではなく、同時に国内メディアではこうした現実を見て見ぬふりしてしまうのだろうと思うと悲しくなってきます。恐らくこの記事を受けて後追い取材をする日系メディアはないでしょうが、果たしてそれでいいのか、このまま見逃していいものかとなるとそんなわけないでしょう。

 もちろん、この記事内容が本当に真実かどうか疑いが全くないわけではありません。しかし記事全体を見て丁寧に取材した跡があるのと、「群馬県」という土地柄、話に強い真実味を私は感じます。何故かというと群馬県は以前から繊維系の工場で外国人労働者を積極的に雇用してきた過去があり、こうした問題が起こるとしたら有り得ない、というより起こりそうな土地だという印象が強く持てるからです。なお、次点は静岡県浜松市。
 記事中ではヒカリ商事という人材派遣会社がニッパツなどに外国人労働者を送り込んでいると書かれておりますが、ホームページを見る限りだと案の定というかマージン率など公開すべき情報を一切載せておりません。私は前からも主張していますが、移民を受け入れるか否かという議論ではなく現時点で日本は既に限定的ではあるものの移民を受け入れて使っているものの、法的保護が進んでおらずかえって劣悪な環境に移民を晒しているのが現状だと思います。

 こうした行為は長期的に見て日本という国にとって明らかにマイナスであり、はっきり言ってしまえばやめさせなくてはならないでしょう。だからこそこの記事は非常に価値があるものだと思え、問題意識を共有できればと思い、微力ながらこのブログでも取り上げることにしました。

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