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2012年6月5日火曜日

称賛された中国のバス運転手

 このところ中国の報道で、杭州市のあるバス運転手が大きく取り上げられております。事の起こりは先日、この運転手が勤務で乗客を乗せてバスを運転していたところ、突然目の前から大きな鉄板が突如飛来してきて、運転してたバスの正面に直撃しました。現在においてもこの鉄板がどこから来たのかはっきりわかっていませんが、私が見た報道だとどうもトラックか何かの外装部品らしく、近くで破損して剥がれた物ではないかということです。
 話は戻りますがこの鉄板はフロントガラスを破り、そのまま運転手の体に深く突き刺さりました。この瞬間は車載カメラで詳細に撮影されており、動画は見てませんが写真であれば私も見ており、避ける間もなく文字通り一瞬のうちに運転手の体に刺さっておりました。ただこの運転手、それこそ刺さった衝撃で一瞬で意識が飛んでもおかしくないにもかかわらず、その後もハンドルを握り続けバスを路肩に寄せるとサイドブレーキをしっかり引いてハザードランプを点灯したところで意識を失い、そのまま絶命しました。

 仮にこの運転手がバスを止めるといった適切な対応をしなければ、それこそバスは暴走して乗客の命も危なかったでしょう。命を失うような事態にあっても最後まで職責を全うした運転手として、大規模な追悼会が開かれるなどその死が惜しまれております。確か年齢は31歳だったかな。
 私個人としても気が動転しておかしくない状況にもかかわらず冷静な判断を保ち、なおかつそれを実行したこの運転手には尊敬の念を強く覚えますし、こうして大きく取り上げられるというのも素直に良い現象のように感じます。日本ではこの前、友人に馬鹿にされたからと言って中学生がバスジャックを起こそうとしましたが、一歩間違えれば多くの人間が死ぬようなことをよくもそんなくだらない理由で起こしてくれたものだと、中国のこの事故を見て改めて強い憤りを感じました。

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