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2012年2月22日水曜日

名古屋市長の南京大虐殺発言に対する反応

河村市長、南京発言撤回せず 重ねて「大虐殺無かった」(朝日新聞)

 期待もされていることでしょうし、物議を読んでいる名古屋の河村市長の発言に対する中国現地の反応を今日はお届けしようかと思います。それにしても仕事中にもたくさん読んでいるのに、家帰ってまで中国の新聞読んでると本当にしんどくなる……。
 まず事の発端となった河村市長の発言ですが、なんでも名古屋市と友好都市関係を結んでいる南京市の代表団が訪問した際に、彼らの面前で「南京大虐殺はなかった」と主張したそうです。しかもその根拠というのも「俺の親父は従軍して南京に行ったが、現地の中国人に歓迎された」というもので、歓迎されるくらいなんだから虐殺なんてなかったという展開だそうです。事の真偽は別として、こんな根拠でケンカ売るような発言するのかよと一見して思います。

 それで本題の今日の中国の反応ですが、やはりどの新聞も写真入りで非常にでっかく取り上げて、上海のローカル紙なんかどこで見つけてきたのか河村市長がどっかでカレーうどんを食っている最中の写真を載せてきました。報道内容は基本的に日本で報じられているものと同じで、くれぐれも言っておきますが極端な歪曲の類は一切ありません。むしろ今回の騒動で名古屋市側が、「あの発言は市長個人の考えによるもので、名古屋市を代表するものではない」という発表をどこも引用しており、落ち着いた報道の仕方をしていると思えます。
 ただこちらでは河村市長を批判するとともに、面前でこの発言を受けた南京市の代表団に対しても批判が集まっております。というのもある中国系通信社が今回の件で名古屋市に取材を行い、名古屋市の職員の話として、「今回の発言を受けた南京市の代表団はその場では抗議せず、すぐに話題を変えた」と報じたからです。ちなみにこの通信社はその名古屋市職員のことを「榎本先生(中国語で「先生」は日本語の「~さん」)」と書いており、「非常に誠実に対応してくれた」としています。

 私個人の意見を書かせてもらうと、中国側の反応としては今回の発言は「日本人の態度」というよりは「河村市長個人の態度」として受けているように思います。そういう意味ではまだ落ち着いた反応をしており極端な政治問題にまでは発展しないかとは思うのですが、今年は日中国交回復40周年ということでいろいろ式典とかがこっちでも予定されているのですが、これらがもしかしたら一部プログラム変更とかになったりする可能性があるかもしれません。
 あと私の南京大虐殺に対する考え方ですが、率直に言うとこれは歴史や政治問題にして「得」をする人間が日中双方にいるため、まだしばらくは解決しないでしょう。具体的に誰がどう得をするのかについては突き放させてもらいますが、これを飯のタネにしている日本人もたくさんいることだけは断言してもいいです。このような観点から、何がどう真実であるかを調べる以前に今はただ熱を冷ますことだけがこの問題の対処として一番正しいと私は考えています。

 最後にもう一件、日本人絡みの下記ニュースが本日中国紙でも報じられていました。

中国:武漢で日本人の自転車盗難 ネットで5万人が捜索協力、奇跡…手元に戻った(毎日新聞)

 このニュースの内容というのも、自転車で世界一周旅行中の河原啓一郎さんが湖北省武漢市に滞在中、なんと自転車を盗まれてしまったそうです。河原さんには誠に申し訳ないのですが、あまりにも中国らしい展開だったので昨日にこのニュースを見た時はえらい笑ってしまったのですが、なんでもこのニュースは武漢市現地でも大きく取り上げられていたようで、中国版ツイッターこと微薄でみんなして連絡を取り合い、なんと奇跡的に河原さんの自転車が見つかり本人の所へ戻ってきたようです。
 自分はこのニュースを今日付けのチャイナデイリーで読んだのですが、こちらも河村市長に負けず非常に大きな扱いで、でかい写真付きで堂々と載せられておりました。ただチャイナデイリーの記事だと河原さんの年齢は28歳と書いてあり、毎日の27歳と一つ差がありましたが。あと河原さんの自転車の行方ですが、なんでも中古自転車屋で1000元(約12万円)で売られてたそうです。今自分が買おうと思っているスポーツ用自転車が新品で1000元くらいだから、河原さんの自転車は相当いい自転車なんだろうな。

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