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2012年2月29日水曜日

自民党の憲法草案について

 日本はまた大雪だそうですが、上海はこのところ長雨が続いております。あともうそろそろ春ですが、毎年春に苦しい思いをしてるのでどうもこの時期は何もなくても気分が落ち込みやすいです。まぁ去年の今頃と比べれば随分と環境はよくなっているのは間違いありませんが。

天皇は「元首」、国旗国歌は「表象」 緊急事態条項も 自民憲法改正原案(産経新聞)

 そうした自分のどうでもいい気分はほっといて、今日は自民党が作成しているという憲法草案について意見を書きます。
 恐らく来年の選挙対策だと思いますがどうも自民党は独自の憲法改正案を作っているようで、先日にその概要が簡単に報道されました。あくまで概要なだけなので詳細はこれから変わってくるかと思いますが、上記リンク先の記事によると天皇を「元首」と明記し、集団的自衛権や自衛隊の存在を認めるという、鳥取にいる私の友人が見たらそれこそ激怒しそうな内容となっております。なんかこう書くと鳥取がそれっぽい地域に見えるな。

 まずこれら概要に対する意見ですが、私が目についたのはやはり天皇を元首とする点でした。あくまで概要なので文句つけるのも早すぎる気もするのですが、私は現在の象徴天皇制というのはとてもよく機能しており、ことさら変更する必要があるかとなると疑問です。既に一部で突っ込まれていますが、この天皇を元首とする案については国民主権と明確に矛盾することになり、改正することでどのような効果があるのかを発信せずにこのように概要として出すというのはいささか信じられません。
 敢えて勘ぐるならやはり、保守派に支持層に対するPRではないかと思います。仮にそうだとしたら非常に残念で、政権交代によって民主党は与党となりこれまでの野党のように好き勝手言えるわけがないということを徐々に、あくまで徐々にですが理解し始めてきましたが、下野した自民党がどんどん野党らしくなってきたというのは誠に残念です。

 次に気になった点は、憲法改正の条件を現在の三分の二以上の賛成が必要とする条件を二分の一とする案ですが、これについては素直に賛成です。この改正案は要するに改正しづらい硬性憲法から軟性憲法変えるという内容ですが、別に今の日本国憲法が極端に問題だとは思わないものの、硬性憲法というものは得てしてその書かれている内容より解釈議論が複雑になりやすく、議論が途中からわけのわからないものになりやすい点から言ってやはり良くないと考えます。さらに言えば戦前の大日本帝国憲法も天皇から国民へ与えるいわゆる欽定憲法であったことから改正することは事実上不可能であって、旧日本政治システムの最大の欠陥である軍部大臣現役武官制が誰の目に見ても問題であったにもかかわらず存続し続けた過去があります。
 といっても軟性憲法下で生活したことがないのでどういう風に変わるかまではさすがに想像しきれない点は認めますが、私は憲法があまりにも強すぎるということは長期的に見て非常にまずいと思うので、この際だから二分の一以上の賛成に変えてしまった方がいいというのが結論です。憲法9条に関しては、あまり興味ないのでどうなってもいいような感じです。

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