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2011年11月29日火曜日

なかなか進まないオリンパス騒動について

 またもオリンパス騒動についてです。自分でもしつこいかなと思うのでこれまで見送ってきましたが、今日は香港現地紙が一斉にこの問題をまた取り上げたので自分も取り上げることにしました。
 まずいきなりですが、どうもロイターが流したのをみんなが取り上げたそうですが、今回の一件がばれるきっかけとなった企業買収でアドバイザーとして報酬を受け取った、ある意味黒幕ともいえる日本人はどうも香港に潜伏しているそうです。もともとこちらに住居を構えていたようで大まかな住所ももう報じられていますが、記者が訪問しても現在は特に返事がないそうです。

 こうした新情報を受けてどの新聞もまたぞろ特集を組んだわけですが、またも登場のサウスチャイナモーニングポストでは大きく紙面を取って「邪悪を見逃す日本」という見出しでなかなか全容が明らかとならない日本の捜査を暗に批判し、「Domestic」と締めくくっております。曰く、ウッドフォード元社長がオリンパスが不正を行っていると発表したにもかかわらず、日本メディアは当初はこれを完全に黙殺し、騒ぐ外国メディアを尻目に発表から四日目になって取り上げたと指摘。また明るみに出てから2カ月が経っているにもかかわらず日本の捜査機関もまだ全容を解明しないなど、どうも社会ぐるみで同族をかばいだてしているようだと批判しています。
 しかもこの新聞がなかなか手厳しいのは、かつてのあの朝青龍騒動を引き合いに出していることです。朝青龍が暴行事件を起こした際に日本メディアは一斉に彼を叩いて引退に追い込んだと淡々と書いて、このオリンパス騒動と対比させています。朝青龍が引退することになったのは事件性から言っても私も当然だとは思うものの、あの時の朝青龍批判と今のオリンパス批判とでは熱の差が大きくあることには同意です。

 またこれまで敢えて黙っていましたが、今月初旬に各メディアでは「オリンパス、上場維持の公算強まる」という見出しの記事が一斉に流れましたが、率直に言うとこの報道を見て私は非常に腹立たしく感じました。というのもまだ事件の全容がほとんど明らかになっておらず、流出した資金が一体どこをどのように流れたのか、黒社会に流れていないのかもわかっていない段階で一体何を以って上場維持と言い切れるのか。しかも全部わかりきっている癖になかなか捜査に協力せず全容を明らかにしない現オリンパス経営陣を見ておきながら、日系メディアはこんな連中をのさばらしていいと本当に思っているのか、上場を維持させていいと思っているのかと強い憤りを覚えました。

 もう言う必要もないかと思いますが、私はオリンパスが上場を維持するのは反対です。仮にすぐにでもオリンパスが捜査に協力した上で経営陣が退陣することをはっきりと言明したのであればともかく、どうもまだしぶとく抵抗しているのを見る限りだとまだ爆弾級の情報を隠しているんじゃないかという気がしてならないからです。それこそ外国メディアで流れているように、ヤクザとかに金を流したとか。
 繰り返しになりますがこの件に関する日系メディアの報道、捜査機関の手ぬるさにもイライラしてしょうがないです。いつまでも同じこと報じてもつまらないというのはわかりますが、まだ何もわかってない段階なのだからもっとしつこく追いかけたりはしないのか、多少汚い言葉使ってもいいんだからもっと批判するべきじゃないでしょうか。

 自分はメディアというものは別に権力にすり寄ろうが何しようが好きにしたっていいと思います。その権力者が善人であるのであれば。
 逆に悪人については権力者であろうとなかろうとすり寄るのは間違いだと思っており、よくマスコミは反権力だ、社会の木鐸だなどと自己主張しますがそういう議論の前に良識を築く努力をしたらと、このオリンパス騒動を見ていてよく思います。

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