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2011年3月22日火曜日

欧米各国のリビア空爆について

 別に忙しいというわけじゃないですが、またちょっと更新が空いてしまいました。土曜に書いた漫画家百人一作の記事でだいぶ燃焼したのだろうか。

 日本では未だに地震関連の報道が続いているものかと思われますが、地震前より騒動の伝えられていたリビアの情勢が先週、またひとつ大きく動き出しました。数十年に渡り独裁を続けていたカダフィ大佐が蜂起した軍や都市に対し軍隊を差し向けたことを受け、国連は武力行使による制裁決議を行い、米英仏を中心とする軍隊が空爆を開始しました。先に私の意見を述べると、あくまで一素人、市民としての観点から言わせてもらえば今回の空爆に関してはやむをえないのではないかと考えています。

 今回の欧米各国のリビアへの空爆を敢えてたとえるなら、明治維新時に英仏が幕府か薩長のどちらかに加担し、もう片方へ戦艦などから砲撃を加えるような感じだと思います。これは紛れもない内政干渉で、仮に明治維新時にこのような直接的な介入をされていたら一体何様だと私はいい気分をしなかったと思います。もっとも、割と露骨な間接的干渉は当時にありましたが。
 内政干渉が良いか悪いかについてはまだ議論の余地があると思いますが、基本的に外国の力を直接的に得て成立する政権というのは今のイラクやアフガニスタン同様にすぐ不安定化することが多く、歴史的に見るならばその国に対してあまり良い影響を与えないように思えます。そのため現実に北朝鮮のような横暴な政権が支配する国が眼前として存在しているも、それをその国民を助けるためという理由で軍隊を出して直接的に倒してしまっては打倒後にまた別の混乱を生みかねず、今の韓国や日本のNGOが行っている脱北者支援や情報配信などといった間接的な方法で打倒することの方が正しいと私は考えています。

 では何故今回のリビア空爆を私が支持するのかですが、カダフィ大佐のこれまでの独裁政治の内容はもとより、笑っちゃうくらい単純ですが彼が今回の武装蜂起に対して外国人私兵を差し向けたという一点に尽きます。報道によるとカダフィ大佐は軍隊内でも反乱が相次いだことを受けて、高額な報酬をエサに外国人から傭兵を募集したと聞きます。また一説によれば出稼ぎに来ていた外国人をほぼ強制的に徴兵し、自国民の殺害を命令したとまで言われております。
 仮にカダフィ大佐が自国民の軍隊のみを使用して反乱鎮圧を行っていればあくまでリビア国内の内戦であって、リビアの一般国民には深く同情するも私は今回の空爆を内政干渉だとして反対していたでしょう。しかしカダフィ大佐は前述のようになりふり構わず外国人に自国民の殺害を命じるなど、やくざ映画の仁義無き戦いじゃありませんがもはやその行動には一編の正当性が感じられません。一人の人間に雇わられた外国人がその国の人間を殺すことによってその人間の地位が保証されるなど、不条理にもほどがあります。

 ことここに至っては国連の決議同様にカダフィ大佐は人道上の罪を犯していると判断し、外国の軍隊の力を使ってでも排除することがその地域の安定、ならびに国民の安全上正しいのではないかと思います。もっともこういっておきながら、恐らく今回も派遣されるであろうフランス外人部隊のことを考えるとなにやら自分でも矛盾しているような感じがします。
 なにやら武力制裁を加える側も主導権やら費用負担で国同士でもめているらしいですが、この影響で原油価格がまた高騰をし続けているだけに、もともとカダフィ政権をここまで延命させてきたのは石油の取引を優先した欧州先進国なので、イラクに対するアメリカ同様に自らの不始末にケリをつけるのであればもう少しスマートにやってもらいたいものだと願ってます。

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