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2010年8月24日火曜日

円高株安と日銀の対応について

 ちょうど昨日一昨日と友人とこの話題について話をしたので久々に時事ネタとばかりに、今日のトップニュースを飾った円高株安と無策と批判されている日銀の対応について私の意見を書こうかと思います。

 まず円高株安についてですが日本円は昨日の時点で1ドル85円と、まるで1ドルが100円以上だった時代が遠い昔のように感じられるまでに値上がりしております。言うまでもなく日本は自動車を始めとして工業製品の大量輸出によって経済を成り立たせており、対ドルレートが1円変動するだけでもその影響は凄まじく、去年くらいの情報ですが確かトヨタは1円円高になるたびに200億円、ソニーは40億円くらい差益が減少すると報じられてた気がします。任天堂はどうなんだろうか、イチローの給料は安くで済むようになるだろうけど。

 そんなわけで日本は建前としては円安に、それも1ドル100円前後で推移する事が一番望ましいとされているのですがここまで円高になってしまうとにっちもさっちも行かず、円高につられる形で株価も下がって今日はとうとう日経平均が9000円を割りました。このような事態を受けて日銀や政府が何かしら為替介入などといった強い経済対策を出すのではないかと取りざたされましたが、今に至るまで具体的な発表がなく市場関係者からも落胆する声が上がってきております。

 ここから私の意見になりますが、まず現段階で日本人はやや大騒ぎしすぎな気がします。確かに企業経営者にとっては頭の痛い事態ではあるでしょうが一般庶民はトレードでもしてない限りは株価がいきなり実生活に影響するわけでもなく、日本経済の行く末をいちいち心配しててもしょうがないでしょう。また円高についても確かに輸出については不利になりますがその逆の輸入に対しては全く逆で、円高となれば日本はこれまでより安くで外国から物資を購入する事が出来ます。日本は工業製品輸出国である一方で化石燃料といった資源の大量輸入国でもあり、それを反映してか今年上半期は円高が続いていたにもかかわらず貿易収支は一貫して黒字が拡大し続けておりました。まぁこれは一時的なものかもしれませんが。

 あくまでこれは私のざっくばらんな見解ですが、私は今の日本経済の実態に近い日経平均株価は実質的には8,800円くらいと見ております。この数字ははっきり言ってほぼ私の勘で出してますが、この数字を出した根拠としてはデフレが続いている事と、日本の財政に対して信頼性が減っている事、そしてなによりも未だに市場において排除と淘汰が進んでいないという事を考慮してのものです。なもんだから、今のこの株価の状況についても実態に近づいてきていて、8,800円を下回ったらむしろ日本株は買いかなぁとか呑気に思っています。

 円高についても似たような感覚で、日本と中国が必死で買い支えしてきたドルがようやく化けの皮が剥がれたというか、日本としては困るかもしれないけど本来あるべき数値になりつつあるという風に見ております。
 またこの円高に対して日銀の対応がよく批判されていますが、確かに日銀は五年位前から偉そうにしている割には何一つまともに動いておらず、利上げを行わなかった事で当時に竹中氏からもこっぴどく批判されていました。私もここ数年の日銀の対応には給料泥棒だと言いたくなる点が少なくありませんが、昨今の急激な円高については友人の、「今回のはFRBの発表を受けて起こった世界的な動きだから日銀一人が逆立ちした所で食い止められるものではない」という意見に同感で、日銀を攻めたところでしょうがない気がします。

 またすでにゼロ金利政策を長年やってきている事で日銀が取りうる手段がないというのも事実ですが、昨日の「テレビタックル」で勝谷誠彦氏が、

「日本には未だに大量のタンス預金があると言われているのだから、聖徳太子の肖像画が描かれている一万円札は今年までにしか使えないと期限を切ってデフォルトを行うと宣言すれば皆急いで銀行に預金するのでは。そうすれば一気に大量の資金が流通するようになるだろう」

 という意見を言っていて、これは聞いてて少し面白いと感じました。
 まぁ円高傾向はまだしばらく続くでしょうし、あんまり慌て過ぎずに嵐がやむのをゆっくり待つ落ち着きも必要かと思うのが今日の私の意見です。

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