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2010年7月22日木曜日

法人税と消費税の関連性

 もう結構前の放送ですが、「TVタックル」においてキョウデンの橋本会長が面白い事を話しておりました。一体どんな事を言ってたのかというと、赤字が続く日本の国家予算を回復させるために政府は消費税を上げるのではなく、法人税を上げるべきだと主張したのです。

 正直な話、企業経営者の方から「法人税を上げるべきだ」という意見が聞かれるとはそれまで私は夢にも思いませんでした。一体どういう理由でそんな事を言い出すのかと続けて聞いていると、まず橋本会長は現在の消費税が昔と違って外税ではなく内税になっていることが企業にとって大きな負担になっていると言いました。

 内税の現制度ですと、書籍などといったものを除いて基本的に商品の値札には消費税を含んだ金額を書かなければなりません。そのため仮に消費税が現行の5%から10%に上げられた場合、販売者側はこれまで通りの利益を確保するためには上がった消費税分だけ商品の値札価格をそれまでより上乗せしなければなりませんが商品を買っている消費者側からするとこれではただ単に物が値上がりしたようにしか見えず、橋本会長によると恐らく消費者の消費する意識が薄れて物が余計に売れなくなって販売者側もそれまで以前の利益を確保できなくなることが予想されるそうです。
 そうなると販売者側は消費税が外税から内税に切り替わった2004年時のように値札の価格はそのまま、消費税の分だけ利益を減らすという方法を取らざるを得なくなるそうです。

 この橋本会長の意見ですが、私も聞いてて大いにありうると感じました。実際に内税に切り替わった2004年時に私はほぼ毎日のようにスーパーに行って買い物していましたが、実際に物を買っていて消費税分だけ値札の値段が上がったと感じる事は殆んどありませんでした。

 その上で橋本会長は、国は税収を増やしたいのであれば敢えて消費税をもっと減税し、その分法人税を上げるべきだと主張しました。消費税を下げる事で消費者は商品の値段が安くなったと感じてより消費意識が上がり、物を売る企業の側も余計な消費税の負担も受けずに経営がやりやすくなります。その上で企業が利益を出せるようになれば法人税が少し増えた所で、元々赤字の企業に法人税は課されないのだからさほど経営に影響があるとは思えず、むしろ利益を出せる企業が増える事で社会全体が明るくなるのではと意見をまとめていました。

 私は元々消費税増税論者ではありますが、こうして実際に企業経営者側からの視点での意見を聞かされてみると改めて考えさせられました。橋本会長の言っている事は非常に筋が通っている上、どっかの死にぞこないの会長と違って企業経営者自身が法人税を上げるべきだという意見を出すその姿勢には正直頭が下がりました。

 私が消費税を推進する理由は第一に徴税コスト(税金を徴収するのにかかる費用。マルサの雇用費も含む)が安い事、第二に脱税抜け道が少ない事、第三に比較的平等に徴税できるからで、仮に今後の日本で消費税率を上げるのであればその代わりに徴税コストが非常にかかる所得税を大きく見直し、それこそ所得の低い世帯を救済する為に年収400万円以下にはこの際所得税は一切かけないという案を持っていたのですが、聞いててこの橋本会長の案の方が案外いいんじゃないかと思いなおすようになってきました。

 何気に「法人税」という言葉はこの陽月秘話とは縁のある言葉ですが、私は基本的に税金というのは単体で考えるのではなく、他の税金、その用途などを合わせた幅広い視野で考えなければいけないものだと思っています。
 そういえば酒税についてまだ書いていなかったので、次回辺りにちょこっとこの辺を書いて見ます。

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