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2010年2月19日金曜日

外国人参政権裁判談話の問題

 今連載中の「移民議論の道標」とも内容が密接に関わるので、さすがにこのニュースは見逃すことが出来ません。

「政治的配慮あった」外国人参政権判決の園部元最高裁判事が衝撃告白(産経新聞)

 記事の内容を要約すると、平成7年にて永住外国人に地方参政権が付与されないのは憲法上の平等に反するという在日韓国人から国への訴えに対し、判決では必ずしも違反ではないとした上で判決後の談話(傍論)にて園部元最高裁判事が、「(地方参政権が永住外国人に付与されることは)憲法上禁止されていない」という発言をしたことに対し、発言主の園部氏自身があの発言をしたことについて、

「(在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった。政治的配慮があった」

 と振り返り、法の最高監視者でありながらかなり無責任な行動を取っていたということを報じています。このニュースを見た私の第一印象は、こんな無責任な人間が最高裁判事をやっていたという時点でいろいろと思いやられました。

 まず当時のこの発言の余波について説明しておくと、かねてから永住外国人に参政権付与を主張してきた在日韓国、朝鮮系団体が俄然勢いづき、従来の主張をさらに強めて現在に至るまで請求の大きな根拠の一つになっております。

 私がこの園部氏の発言に呆れている点はどこかというと、法に対して厳格であって政治的中立を保たなければならない裁判官ともあろう人間がまさか、「なだめるために政治的配慮をした」という、裁判官として決してあってはならない理由で以って、いくら法的拘束力がないとしても社会に大きく影響を与えかねない迂闊な発言を法廷で言ったというところです。しかもそんな重大な発言をしておきながら、「裁判官は言い訳をしてはならない」という鉄則を再び破って、「在日韓国、朝鮮人のような特別永住者にならともかく一般永住者にも参政権を与えようとする民主党の政策はありえない」などと、引退したからといって元裁判官がここまでペラペラしゃべっていいのかと感じてしまいます。まぁ個人がどう考えるかを規制してもいけないのですが。

 この地方参政権についての議論は本筋の連載の後半にて行いますが、自分も含めて冷静に問題点を整理して議論する必要のある問題だと考えております。それゆえ、「なだめるため」という理由で発言するなどは持ってのほかということを今日のまとめとさせていただきます。

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