2009年10月1日木曜日

何故戸籍制度はいらないのか

 三回にまで及んだ戸籍制度批判のこの記事もこれで最後です。今日はようやく自分が言いたかった、何故戸籍制度が不必要なのかという理由について解説します。

 まず私の立場から説明しますが、私の戸籍における本籍地は祖父が元々住んでいたことから大阪府の梅田にあります。しかも面倒なことに遺言で変えるなと言われていたためにまだ変えていないのですが、現在私は関東に住んでいて戸籍に関わるいろいろな手続きをするのにこれまで手間がかかっていたため、そうした体験からあまりこの戸籍にいい感情を元から持っていません。とはいえ現在では住基ネットの導入のおかげで大分このような手間が省けるようになったのですが、それを考慮に入れてもまだまだ戸籍の不必要性があるとは思います。

 では戸籍のどのような点が問題なのかですが、私が思い当たる中で一番問題なのは住民票との関係です。戸籍謄本も住民票も日本における個人の身分や存在を証明する証明書として重要なものなのですが、私にはどうしてこれが二つに分かれているのかがよくわかりません。昨日の記事でも書きましたが戸籍を管理しているのは本籍地のある自治体で、住民票を管理しているのは居住地のある自治体です。両者が一致していれば二つとも一つの自治体で管理できますが、これが分かれていると別々の自治体で別々に管理しなければなりません。また同じ自治体に戸籍と住民票があっても、自治体職員の方のホームページとかを見ているとどちらを発行するのかなどでよく混同が起こるため非常に手間だそうそうです。

 仮にもしこの二つの証明書が一つであれば、管理する自治体ももちろん一つになりますし混同も起こらなくなります。たかがそれだけかと思われますがこの戸籍や住民票はそれぞれ日本の人口にあたる一億超もある膨大な記録で、これが二億超から一億超と二分の一になれば作業量は大幅に圧縮でき、またコンピューターのシステムで管理するとしても一億超のほうが言うまでもなく実現化しやすいでしょう。一説によると、戸籍を廃止することによって節約できる管理スタッフの費用はを数十億円にまで上るといわれております。

 とはいえ、戸籍を廃止したら個人の識別や家族の証明などに問題が起きないかと心配される方も少なくないでしょう。ですが知っている方は知っていますが、この戸籍制度があるのは実は東アジアの数カ国だけで、韓国に至ってはちょっと前に廃止しております。
 この戸籍制度の発祥地というのは言うまでもなく古代中国で、日本は奈良時代に遣唐使からもたらされる形で律令制度の元で開始されてなんと現在にまで形を変えつつ伝わっております。では戸籍制度のない国ではどのような方法で個人の証明を行っているのかというと、私が調べた限りだとなんでも出生時に作成される出生証明書のみで管理されているそうです。

 日本の場合は出生時、その両親が生まれた子供を自分たちの子供と認知することで親、というより父親に当たる家父長の戸籍に入れられるように、欧米が個人単位で証明を作るのに対して家族単位で証明を作ります。基本的にその他の戸籍の変動も家父長を中心に行うので女性は結婚を期に主に夫となる男性が作る新たな戸籍に入り、離婚する際はその戸籍から出て行くという形を取ります。この辺は夫婦別姓の議論が今大きくなっているのでこれからいろいろと情報が入ってくることが予想されますが、中国でも家族単位の戸籍ながら夫婦別姓なので女性の改姓は割と日本独自のメンタリティーで戸籍制度の性格ではないでしょう。

 こうした家族単位で作られるという特徴のほかに戸籍制度は、先ほどから何度も挙げている本籍地という特徴があります。この本籍地というのは元々は居住地的な意味合いを持ったデータだったのですが、居住地の移動の激しくなった現代においてはほぼ有名無実化しており、しかもこの本籍地というのは本人の自由で好き勝手なところを設定できるらしく、そんなものをいつまでもデータとして残すことに私は疑問を感じているわけです。

 さっきから断片的な話ばかりになってきたのでそろそろ結論を持ってきますが、私の案は戸籍制度を廃止、というよりかは改正して、家族単位ではなく個人単位で住民票と合体して使う証明にするべきだと思います。その際に居住地との混同を起こしかねず現代において有名無実化している本籍地欄はなくし、近親の家族が分かる欄もこの際だから廃止したいのですが、日本人のメンタリティからそれが難しいのであれば住民票とともに二親等まで書いた「家族原簿」もしくは「家族証明書」を併記して残してもいいと思います。

「戸籍制度」見直すべきだと思う?(live doorニュース)

 最後に戸籍制度の見直しについて上記のサイトにて議論されているのですが、その中の意見にいくつか、戸籍法が変わると中国などから大量に犯罪者がやってくるようになると書いてありますが、ちょっとこの点がどうしてそうなるのかが分かりかねます。国籍を決めるのは戸籍法ではなく国籍法ですし、外国人が日本に入国しやすいかどうかを決めるのは入管法で、戸籍の廃止がどうして犯罪者が入国しやすくなったり犯罪につながるのかがよくわかりません。いくつか考えられる手段として偽装結婚や偽装養子縁組がありますが、やはりそれもそういったことをしようとする日本の犯罪者や、その様な手段で日本に入ろうとする、国籍を得ようとする犯罪者を見逃してしまう入管法が問題なのであって、少なくとも戸籍があるかどうかがそうしたことにつながるかといえばあまり関係はないでしょう。

 あと戸籍がなければ家族の証明がし辛く、遺産の相続時に色々問題が起こるという意見もありましたが、傍から見ている限りは現在においても遺産相続時の騒動は少なくないので、やっぱり生前の遺言を残しとくなり何なりしとかなきゃ戸籍があろうがなかろうが意味がない気がします。
 またこれははっきりと覚えていることですが、四年前にある高齢の資産家の女性の遺産を狙い、勝手に赤の他人が養子縁組を行っていたという事件がありました。ことを知った女性はその事実を後で知って驚き、慌てて縁組を解除したそうなのですが、現状においても戸籍の管理なんてものはこんないい加減なものなんで、家族の証明やらなんやらに過剰な信頼を置くのもどうかと思います。


  参考サイト
★元市民課職員の危ない話★

2 件のコメント:

  1. 自分も戸籍制度はいらないのではないかと思っています。過去には意味がある仕組みだったのでしょうが、やや古くなっているというのが自分の考えです。

    特に最近、マイナンバー制度が始まりました。
    マイナンバーを中心に個人情報を管理していくと、シンプルにまとまるのではないでしょうか?
    行政の効率化の一環として、検討してほしいと思っています。

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    1.  コメントありがとうございます。
       自分も全く同感で、どうしても戸籍の情報残したいなら住民票またはおっしゃられている通りにマイナンバーに統合して管理してほしいです。行政の無駄を省くとよく言われますが、件のマイナンバーも現況を見る限りだとあまり統合できているように見えず、何故こうも簡単なことすら実行決断できないのか、真面目にイライラしてきました。
       もっとも、私自身がずっと海外にいるため、マイナンバーの手続き取ってないのですが。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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