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2009年7月2日木曜日

北京留学記~その四、大学寮

 前回の記事では北京で外出するのには交通の不便から非常に体力がいると書きましたが、そうなると留学中にもっとも長い間いる空間というのはやっぱり学内の寮となります。

 基本的に中国に来る留学生は学内の寮に住むことになります。以前は留学中の安全を担保するためという名目で監視をする目的から留学生は寮住が強制的でしたが、しばらく前に法律が変わってからは前もって届け出ることで留学生も学外のアパートメントを借りる事ができるようになりました。自分の知人の中でも何人かは寮を出て外に部屋を借りましたが、見たり聞いたりした感じだとそうした留学生を相手に商売しているところも大学周辺には多く、料金面や部屋の質からも学生寮よりそういったアパートの方がよさそうでした。

 ただそのように貸し出される部屋は基本的に2LDKこと二つのリビングを持つ部屋で、それぞれの個室に一人ずつ住むルームシェアが基本でした。もちろん二人で済むのだから家賃も折半して払うのですが、突然それまで一緒にやっていた相部屋相手が卒業なり引っ越したりして次の住人が来なかったりすると、次の月から突然相部屋相手の分の家賃も上乗せされて二倍を払わされることになるので、そのような状況になって慌てて相部屋の住人を探す羽目になるというのもままあるそうです。かくいう自分もそんな状況になりかけた知人の日本人学生に頼まれたことありましたが、寮での生活が安定してたのでその際は断らせてもらいました。

 ついでに書いておくと学外に部屋を借りるのは自分たちのような外国人留学生に限らず、最近では中国人学生もそのようにして下宿する学生が増えてきており、以前はよっぽど近くに自宅のある学生以外はみんな寮住まいだったのが率的には見事に逆転してきているほどだそうです。
 何故寮に住むのに比べて多くの家賃がいる下宿を選ぶ中国人学生が増えているのかというと、何でも一人っ子政策が影響して子供を甘やかす親が増えており、子供のことを思って費用がかかってもいい部屋を借りようと親が率先して行うそうです。それでも私の留学先の中国人学生寮では一部屋六人のところに結構学生がいましたけど。

 それで肝心の学内寮についてですが、一言で寮といってもたくさんあって一概に言い切ることができません。日本の感覚からしたら結構びっくりなんですが向こうの学生寮は大学の運営組織とは全く関係が無く、いわば学内で営業をすることを許可された団体(会社?)が独自に居住サービスを行っています。そのため自分たちの都合で改装のために急に学生を追い出したりすることがあり、現に私自身も留学中に寮を一度転居させられました。
 その寮も同じ大学にありながら千差万別で、男子寮と女子寮、そして男女寮で建物が分かれていれば家賃によって設備なども異なり、私のいた北京語言大学では確か十棟くらいはタイプの異なる寮があった気がします。

 その中で一際周りからうらやましがられるのは、家賃が高けれども一人部屋で豪華な設備の寮です。基本的にそんな寮を使うのはお金に余裕のある日本人や韓国人の女の子なのですが、私も留学を終えて一年後に再び北京に旅行で訪れた際にその豪華な部屋を使いましたが(部屋が空いていれば旅行者も使える)、自分が住んでいた寮と雲泥の差があって泊まってみて非常に気持ちよかっです。
 ここで少し触れましたが私が当初いた寮は留学生が借りられる中でも最下級の寮で、相部屋なのは当然で風呂トイレは部屋の外での共用でした。私自身はこれが中国人の普段の生活なのだからとすぐに慣れましたが周囲の日本人はトイレが汚いとか、部屋が狭いなどと不満たらたらで、さらには欧米人らに至るととてもじゃないが住めないといってすぐさま逃げ出して外に部屋を借りていました。

 ただそんな生活は約二ヶ月で突然終わりを告げ、寮の改装のために先ほどにも書いたように強制的に追い出され、代わりに出来たばかりの今度は設備も豪華なちょっとしたホテルのようなきれいな寮に移り、以後は留学を終えるまでずっとそこで過ごしました。この辺の過程は話し出すと延々と長くなるのでまた別の機会にお話します。

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