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2009年6月26日金曜日

DAIGO氏と小泉孝太郎氏を比較して

 最近政治家の世襲問題がとみに議論されるようになり、今週の「テレビタックル」でもこれが主題となって議論が交わされました。なおこの時に出てきた岡野工業の社長は見ていて非常に面白かったです。

 この時に議論された世襲というのは言うまでも無く政治家の世襲問題についてで、私や「フランスの日々」のSopiheさんも揃って以前から取り上げていましたが、ふとこのまえに同じ政治家の子弟でありながら似たような経歴を辿りつつスタート時に明確に差を分けた二人の人物がいることに気がつきました。その二人の人物というのも、竹下登元総理の孫でミュージシャンのDAIGO氏と、小泉元首相の息子で俳優の小泉孝太郎氏です。何気にこの二人、同い年です。

 二人とも元総理という超弩級の血筋の良さで現在テレビの露出も多くて芸能人としては成功している部類の人物たちですが、何が決定的に違うのかというと自分が総理の血縁者であることをカミングアウトした時期です。小泉孝太郎氏は芸能界デビューをする際に自ら当時現役であった小泉元首相の息子であることを隠さずにいたことから当初より話題性もあり、デビューするや瞬く間にテレビ出演やコマーシャルの出演が決まったのに対し、DAIGO氏の方はデビュー時は思うところもあって竹下下総理の孫ということを敢えて隠して活動を始めたところやっぱり泣かず飛ばずだったそうで、前にトーク番組にて、

「自分も結構前から活動してるんですけどぉ、おじいちゃん(竹下元総理)の孫だと言い始めた去年から急に売れ始めて、今までの自分の活動ってなんだったんだろうなぁって思うんすよぉ」

 DAIGO氏が自分が総理の血縁者であることを隠していた理由については、やはり祖父の知名度に頼らず自分の実力でのし上がっていきたいという思惑があったそうなのですがやっぱりそうもうまくはいかなかったようです。一方、いきなりデビュー時にカミングアウトした小泉孝太郎氏の方はというと、私の記憶する限りいろいろと賛否両論の意見があったように思います。

 これは当時の北野たけし氏の発言ですが、「実力が無ければ芸能界ではやっていけないのだから、ひとまず活動をして十分に売れ始めてからカミングアウトしても遅くないのに、初めから総理の息子だと言ってデビューするのはどんなもんだ」などという感じで真っ向から批判していました。もっとも北野氏は自分の娘が歌手デビューする際にわざわざプロモーションビデオに出演するほどの熱の入れようでしたが。

 こうした意見が小泉孝太郎氏のデビュー時に出てきたことを考えると、あながちDAIGO氏が隠そうとしたのも無理ないでしょう。ただこの辺の問題についての私の意見はというと、芸能界においては自分の知名度向上につながるのであれば別に隠すことなく、使えるものはどんどんと使っていくべきなんじゃないかと思います。
 そう私が考えるのも、芸能界は実力主義の世界だからです。芸能人は常にテレビや映画などで自らを露出するために実力があるかないか、売れるか売れないかが比較的わかりやすく、また売れる人間の下で実力を問わずに大量の売れない人間がいる状況下で芸能人たちも自分たちを常に必死でアピールしており、一部の女性芸能人に至っては自らスキャンダルを起こすことで露出を増やそうとする人までいる程です。

 実力があっても綾小路きみまろ氏のように長い間売れなかったのを考えると、自分を売り出す一つのきっかけとして総理の血縁者であるとPRするのは決してアンフェアなことだとは思いません。仮にそれで売れるようになったとしても、その後視聴率が取れないなど実力が追いつかなければ自然と淘汰されて消えていってしまうのが芸能界なので、DAIGO氏に対しては「無理しなくてもよかったのに(ノД`)」というのが私の感想です。

 なおこれは逆に言えば実力があるかどうか分からない、分かり辛い業界では話は違うということです。そんな業界はどこかって言えばもうわかっているでしょうけど、政界のことで政治家の世襲です。
 私もまだまだ未熟ですが、私の周囲の人間からするとどの政治家がどんな政策やどんな考え方、果てにはどんな政治的功績があるのか皆目つかないそうです。実際に政治を真剣に勉強している人以外でどの政治家が優秀で立派なのかは判断するのは難しいでしょうし、そんな状況だからこそ世襲が大きく影響する知名度が選挙に与える影響はあまりにも強すぎると言わざるを得ません。
 実力が分かり辛い業界だからこそ余計な要素を排除する。それが私が世襲を批判する一つの理由です。

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