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2009年5月18日月曜日

新型インフルエンザの感染拡大について

 すでに各ニュースでも報道されている通り、これまで数人だった感染者数が先週土曜日から関西地域を中心に急拡大し、今日には確認感染者数だけで百人を超すなど新型インフルエンザが猛威を振るっております。今回の新型インフルエンザはわかっている情報の限りだと、毒性についてはH5N1型の鳥インフルエンザよりは大幅に弱いものの空気感染によって爆発的に広がるなど感染力については折り紙つきといわれており、現在の事態を見る限りそれらの情報に間違いはないと思います。

 さて今回の日本の感染拡大についてですが、当初はカナダに学校主催のツアーにて訪れていた関西の高校生らが国内初の感染者として報告され、現在感染が拡大化している地域が神戸を中心としているのを見るとやはりこの時の潜在的感染者から広まったとみるべきかもしれません。しかしこういってはなんですが、遅かれ早かれこのような事態にはなると予想されていたので、感染が広がっている現在においてそのカナダへの旅行を企図した学校や、初の感染者となった高校生らを非難するのは明らかに間違った行為でしょう。

【新型インフル】「帰ってくるな」「謝れ」…大阪・寝屋川市や学校に中傷殺到(MSNニュース)

 残念なことに、上記にリンクを貼ったニュースでも書かれている通りに中には心無いクレームをつけてくる人間も少なからずいるようです。
 しかしただでさえ感染力の強いこの新型インフルエンザですから、私はそれこそ可能な限りの対策を行ったとしても国内での感染拡大は防げなかったと思います。というのも現在感染者数が多いのはカナダやアメリカ、メキシコといった国ですが、こういった国で感染者が多いのは感染している人間が他国より多いというのも事実ですが、それ以上に感染者がそうであるとわかる医療体制を持つ先進国という要素の方が強いと思います。それこそ発展途上国やお隣のだだっ広い中国にいたってはたとえ感染者がいたとしても、なかなかそれが新型インフルエンザだと気づけないばかりか中国の地方政府によっては感染の事実を隠蔽しようとするところもある気がします。

 言ってしまえばそういった感染者が出ていないと思って旅行したところで帰ってきたら感染していたということもおおいに考えられ、ここ数週間の間に日本が行っていた水際対策が無駄だったとは言いませんが、防ぎきるのには自ずから限界があったでしょう。
 ではこれからどうすればいいかですが、まずは慌てずに落ち着くことです。先ほどの高校生へのクレーマーのように大騒ぎしたところで感染者が減るわけでもないのですし、また一部の報道によると複数の医療機関が今回の新型インフルエンザが疑われない場合においても診療を拒んだという行為も報告されております。警戒を怠るのは以ての外ですが、無用に慌ててパニックを起こすというのもまた愚考です。幸い、今回の新型インフルエンザは毒性はそれほど強くないといわれているので、社会機能が著しく低下するのを避けつつどう感染拡大を防ぐかといった対策の整備を推し進めるのが第一でしょう。

 またこれはまだ結論として出されていないものの、今回の新型インフルエンザは老人にはかかりづらいとアメリカなどから報告されております。これは逆に言うのならば若者ほどかかりやすいということになり、日本でも高校生らが最初に感染した(成人の教師一人も含まれていましたが)事実を考慮するとあながち無視できない傾向のように思えます。だとすると対策で重要になるのはそういった若者の感染をどう防ぐかということで、小、中、高の学校でどれほどまで休校や感染予防対策を採るかが肝心になってきます。さっそく関西の学校では本日から休校になったところが多かったそうですが、それをどこまで行うか、また休校した分の授業をどこで補填するのか、そういった議論が今後必要になってくると思います。

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