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2008年8月18日月曜日

太陽電池とは~その三、ブームの裏側~

 この連載も三回目です。多分ここが一番私が書きたかった内容です。

 さてこの太陽電池、今年に入りテレビCMやら環境番組などで急激に取り上げられるようになってきたと思いませんか。太陽電池自体はなにもつい最近に発明されたわけでなく、確かに技術革新は進んでいるとはいえ何故こうも急激に取り上げられるようになったのか、私は以前から不思議に思っていました。

 仮説として最初に挙がったのは、やはり環境問題でした。エコなエネルギーとして開発が期待されている燃料電池や原発と違い、太陽電池は作ってしまえば燃料は一切ゼロ、ランニングコストが一切かからずまた余計な排出物を出さないということで最大のエコエネルギーと言われており、環境意識が高まる中で急激に広がって今のようなブームになったのか、というように最初は感じました。

 しかし、環境問題というのは基本的に胡散臭いものと考えている私にとって、こんな話をそうやすやすと受け取れるものではありません。そこでいろいろ調べてみて私なりに出した結論というのが、このブームは半導体の価格値下がりが原因であるのではないのかというところにたどり着きました。

 ここでぱっといいましたが、皆さん、ここ数年でパソコンがまたえらく安くなったと思いませんか。この原因はパソコンの材料に使う半導体の価格がここ1、2年で急激に下がっているのが原因です。そのためこれまで半導体を作ってきた企業はどれも利益が減り、日本企業では大幅な投資を行って巻き返しを図っている東芝を除きほとんどのメーカーでコンピューター向けの半導体生産を縮小、あるいは撤退をしています。ソニーなんてCELL工場丸ごと東芝に譲り渡したし。

 企業としてはこのまま半導体を作っててもどうしようもない。そこで出てきたのが、この太陽電池というわけです。
 この太陽電池は昨日までの連載で説明したように、主材料は半導体です。そのため、これまでコンピューター向けの半導体を作っていた工場や施設に軽く手を加えることですぐに生産できる代物なため、コンピューター向け半導体より利益の狙える太陽電池へとシフトしていったのが恐らく実情でしょう。実際に大メーカーだけでなく、コンピュータ向け半導体の一次材料、二次材料を作ってきたメーカーも太陽電池の生産に乗り出しています。そのため環境問題というのは二の次の大義名分、もしくは単なるパフォーマンスというのが実情だと思います。それ言ったら環境PRすべてそうだろうけどさ。

 おまけにこの太陽電池は何度も言っているように技術革新が続き、このところは1~2年くらいで設置コストを上回る発電量が期待できるようになったため、大幅な設備投資が行われるという予想もあってこう毎日シャープなどのテレビCMで拝めるようになったのでしょう。因みに先ほどの設置コストというのは、

 太陽電池の設置にかかる費用>発電した分の電気代

 です。つまり、設置する際にある程度まとまったお金がかかりますが、大体1、2年くらいでその分の費用以上に電気代を節約できるということです。特に最近は余った電気を発電会社に逆に買わせることもでき、ますます費用対効果が高まっているといわれています。

 ここまで書くと、なんてすばらしい太陽電池、燃料はいらないし環境にもやさしい……という風に思われるかもしれませんが、もし本当にそうだったらこんだけ環境問題で前のサミットのようにもめたりはしなかったでしょう。おいしい話には必ず落とし穴があります。次回はその落とし穴、といっても私も素人なので多分まだまだ私の知らない落とし穴があると思いますが、ひとまずわかる範囲で太陽電池の弱点を開設します。

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