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2008年3月9日日曜日

日本語の訓読みと音読みについて

 前回からの続きです。さて前回では日本語も時間とともに結構換わると書きましたが、その変化の最たる一つとして音読みから訓読みへの変化があります。

 たとえばこの前少し話題になったので、「豚汁」の読み方を「ぶたじる」と読むか「とんじる」で読むかがニュースになりました。私は後者の「とんじる」派ですが、私の意見を言うとどっちの読み方でも正直いいと思います。少なくともどちらもどんなものを指す言葉であるかは容易に想像できますし、それをわざわざ統一する必要はないと思います。

 しかし、なんというかこのところはこういったあいまいな使用法を統一すべきだという声をよく聞きます。たとえば英語の「team」ですが、私なんかは「チーム」と普通に日本語の中で読みますが、最近ではなんかスクラムが組まれたのか、テレビなどのニュースでこの単語を読む際は「ティーム」というような感じで読まれるようになりました。はっきり言って、「ティーム」だとキーボードで打ちづらいからやめてほしいです。
 同様に、地名などもここ最近で読み方を現地読みにすべきだとして大幅な変更が行われ始めています。これも例を挙げると、「高句麗」をこれまで「こうくり」と教科書で読みを教えていたのが「コグリョ」と、韓国語の発音に即した読みに一部の教科書で変更がなされています。
 すでに外務省のビザ関連の紹介ホームページで、一部の国名を現地読みに変更したところ、わかりづらくなったと弊害が報告されています。それに、私の専門としている中国語なんか、これやったらえらいことになると思います。

 たとえば「西安」は現地中国語に即した「シーアン」という発音がすでにかなりの部分まで浸透しているのでこのままでもいいと思いますが、「北京」なんか中国読みだと「ペイチン」です。知らない人も多いと思いますが、「ペキン」という読み方は実は英語読みです。同様に、「南京」も中国語だと「ナンチン」です。現地読みしても英語読みにしても日本語読みにしても、どれをとっても決め手にかける地名な気がします。

 このような決めづらい言葉などはひとまずは両論併記みたいにしていて、徐々にイニシアチブを握っていった方をそれぞれ使っていくのがいいと思います。それを無理矢理短期間に統一しようとするのは間違いではないでしょうか。

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